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2009年3月31日 (火)

これが未来のゲームハードかもしれない

4Gamer.net ― [GDC 2009#10]ゲームの未来を変えるかもしれない革命的技術「OnLive」が,GDC会場で作動中!

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 OnLiveを簡単に説明すると,ブロードバンドを介したオン・デマンド式のゲームサービスである。ゲームのすべての演算やレンダリングがサーバー側で行われ,それが“ビデオ映像化”されてクライアント機に転送される。
 そのデータと,プレイヤーのゲームコントローラから伝わる情報を一秒間に何往復もやり取りすることで,3DグラフィックスカードのないノートPCやテレビ上であっても,3Dゲームを気軽にプレイできるのである。
 驚いたのは,これがただの発表ではなく,会場で実際にデモが行われていて,誰でも自由に遊べるようになっていたということだ。

 米国のベンダーがユニークなゲームサービスを発表している。簡単にいえば、クライアント側のゲームハードのスペックは非力でも、サーバ側はスペックが高ければ高いほど、より高性能なゲームハードしか動かないようなゲームが遊べるようになるわけだ。極端でいえば、技術的にはPS2でPS4のゲームを遊べるのは可能だといえるわけだ。

 しかし、このゲームサービスはおそらく失敗するだろう。そもそもNW(ネットワーク)のインフラはまだ成熟してない。FTTH系ブロードバンド化が遅れているといわれる米国では、まともにゲームプレイできる環境はかなり限られるだろう。だから商売になるとは思えないだ。

実は5,6年前より久夛良木氏が将来のPSシリーズについて以下のことを示唆している。

後藤弘茂のWeekly海外ニュース
久夛良木健氏が語る、PlayStation 3とCellの正体
(2003/9/1)

あまりにも抽象的すぎて、引用しても意味が分からないかもw

後藤弘茂のWeekly海外ニュース
PS3は「e-Distribution」のためのプラットフォーム 
~久夛良木健氏インタビュー(3)
(2006/6/9)

今から読むと、やっと分かるような気がするのが凄いかもしれない。

●e-Distributionが進むと最終的にはディスクはなくなる

【Q】 e-Distributionのアイデアからすると、光学ディスクドライブは盲腸のように見える。ネットワークデジタルエンターテイメントの時代になったら、最終的にはローカル側の光学ドライブは重要ではなくなって行くのでは。例えば、HDDだけのPLAYSTATIONとか。

【久夛良木氏】 本当はHDDもないはずなんだけど……最終的にはね。サーバー側にデータを全部持って行くなら、いつかは(ドライブは)いらないとなるかもしれない。同じ ような話はあって、Google端末なんてアイデアも出ているみたいだけど、それが実現したら、超シンクライアントだよね。でも、(ディスクレスを実現する)そのためには、サーバーが大事で、なかなか難しい。

 久夛良木氏のやり方はある意味では現実的。なぜなら極めて現実的なプロセスを1つ1つ踏みながら未来のゲームハードへ進化していくからだ。

 onLiveはそのプロセスを一切踏まないでいきなり未来のゲームハードを発表してしまった(笑) だから失敗するのは間違いないだろう。

 しかしネットワークの超広帯域化・超高速化が当たり前になる時代はいつ頃になるか、はっきりいって不透明だ。とても待てないので、やはりハイブリッド方式は一番現実的ではないか。PS3のようなハードで商売になるレベルになってから、少しずつ実験的なサービスを展開すればいいのだ。homeのようにね。

 平井体制では、どういうPS4にしたいのが不明だが、久夛良木氏が本当にやりたいのは、おそらくPS3の強化バージョン(たとえばメモリー強化、CellのSPE増加バージョン、NICの超広帯域化とか)で展開したかったのではと思う。

 うーん現実的に考えても、PS4世代では完成するのは無理があるかもしれない。やはりPS5~PS6世代にならないと、やっと実現するようになるかなという気がします。

 結局PS4世代は、PS3の正常進化版であった方が現実的かも。おそらくそこから超シンククライアント化が進むかなと思う。多分伝統的なゲームハードの進化はPS4世代で終わりかもしれない。ネットワークによる進化はその世代から本格的に始まるじゃないかなという気がします。

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コメント

まー,ネット側の進化が追いついてないんですよね。
遅延なんかも考えると,どうしても実用的じゃない。
クタさんがやってたのは,理想と現実の切り分け。

夢はいずれ現実になるけど,
モノリスのような都合の良いアイテムは現実には存在しないので,
ひとつずつ積み重ねるしかない。
荒唐無稽な夢を語るけど,今できる現実はちゃんとわかってる。
で,今できるだけの未来へのアプローチを仕込んでおく。
それがクタラギビジョンなわけで。

PS3はPS2の反省の元に作られた「発展可能なアーキテクチャ」です。
しかも,Cellはチップ内,マシン内,LAN内,WAN内,
全てを繋ぐアーキテクチャです。

このタネを育てるには
やっぱりPS5ぐらいまでかかるんじゃないかな,と思うのです。

その時のPSがゲーム機なのかどうかはわかりませんが。
おそらく,ホームサーバとして,宅内のITサービスを統合して,
クライアントに結果を送るような仕組みになるのかもしれませんね。

投稿: kon2 | 2009年3月31日 (火) 11時01分

(補足)
ま,今回のOnLiveネタは,
PSPのPS3リモートプレイで実現してますからね。
実際は珍しくもなかったりw

しかも,このリモートプレイ,
自宅のPS3をWAN上のサーバに置き換えるだけで,
このOnLiveと同様のサービスを始められちゃったりします。
もちろん,PSN経由だから課金などもばっちり。
たぶん,やろうと思えばいつでもやれるぐらいには
なってると思います。

ただ,サーバの負荷を考えると
結構厳しいサービスな気がしますけどね
(その分金額に跳ね返ってくるでしょう)。

現状のPSPやPS3にも結構いろいろな実験が仕込まれているものです。

投稿: kon2 | 2009年3月31日 (火) 11時14分

実際にPSPでリモートプレイしていますけど便利ですよ。
下手なCDPよりも音いいですからね。
これでCDP買う意味がなくなりました。
まあ、機器の値段しか見ないオーオタには耳が痛いでしょうけど。
LINNのDS相当まで音がよくなっていけば話は別ですが・・・。
映像もDSのようになって欲しいけど、今は無理だろうなあ。
ある意味到達点まで来たなあとこのごろ思っています。
これ以上にするともうお金が大変な金額になるのは分かっているんで、ちょい困っています。

投稿: 結うまい | 2009年3月31日 (火) 17時22分

>>kon2さん

そうですね。リモートプレイは確かにPS3とPSPでやっていますね。PS1ソフト(CD-ROM)プレイもできますね。
ただ室内LANでも若干遅延が気になるので、遅延にうるさいゲームマニアがonLiveに馴染めるか微妙じゃないかなという気がします。

http://www.ps3-fan.net/2009/03/ps_cloud.html
PSクラウドという名称も登録されているらしいしw
やろうとおもえばいつでもできることか。

>ただ,サーバの負荷を考えると
>結構厳しいサービスな気がしますけどね
>(その分金額に跳ね返ってくるでしょう)

そうですね。そのコストは誰が払うかという問題になっているね。Googleモデルのような広告はいいかもしれないが、不況に弱いところもあるね。

そもそもクラウドコンピューティングのメリットは、ハードのリソースを無駄なく効率的に使えるのが強みだったと思う。しかしゲーム系だと、ハードの負荷がどう考えても大きい。利用者が増えるほどにサーバ系コストが大きくなる。うーんサーバ屋の立場からみればビジネス的には旨みがあるだろうか。

ちなみにUNIXマガジンの今月号にてクラウドコンピューティングが特集されているので、読む価値があると思います。マイクロソフトの動向も詳しく書かれているので、参考になるかも。

http://ascii.asciimw.jp/books/magazines/unix.shtml

投稿: mkubo | 2009年3月31日 (火) 23時28分

>>結うまいさん

そうですね。ある意味ではPSPのリモートプレイは液晶リモコンという感じですね。

http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090327_80043.html

ご存じだと思うが、クリプトンが先進的なことをやっていますね。NASはSSDを使っているところが面白い。

最近SSDが安くなってますので、PS3の20GB HDDを換装する機会があれば、SSDを利用してみてはいかがでしょうか。換装方法はあまり難しくないと思いますし。音質的にはメカ部分のないSSDを使った方が有利ですし。

投稿: mkubo | 2009年3月31日 (火) 23時35分

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