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2010年4月19日 (月)

"IMAX 3D"レベルの家庭用3D-PJのネックはいろいろあるようだ

本田雅一のTV Style:家庭用3Dプロジェクターの可能性(2) - ITmedia +D LifeStyle

IMAX 3Dクラスの3D画質の家庭用PJを実現するにはやはりLG方式3DPJ(CF3D)、4Kパネル搭載かつデュアル光学システム(複眼対応?)を採用するしかないそうだ。もちろん単板DLPなら手軽な3D映像が出せますが、ふさわしい映画画質かつ十分な明るさを実現するには力不足だそうだ。(ただしスクリーンを選ばないメリットもあるようだ。)

いわばプロジェクターのスタック設置(2台重ねて同じ映像投写することで明るさを高める手法)を、筐体の中で行っているのがCF3Dといえるだろう。フレームシーケンシャルではないため、フリッカーによるちらつきの問題もない。副次的な効果としては、2Dをデュアル光学回路で投写する場合には2倍の光量を得られる利点もある。

2D画質でもさらに明るくなるところも魅力的だな。IMAXライクに実現できますね。

前者に関して言えば、そのうち明るさを確保した上で3D投写が可能なフレームシーケンシャル型3Dプロジェクターも登場するに違いない。現在はDLP中心だが、4倍速駆動の反射型液晶パネルが一般化すれば、LCOSプロジェクターでもこの方式を採用することが可能だ。

おそらくソニーはその方式を採用するだろうと思う。SXRDは基本的にアナログ駆動なので、技術的に可能。コストもほぼ従来のPJ並のコスト+αに抑えられるだろう。デジタル駆動系D-ILA(家庭用向け)には倍速がもともと苦手なので、ビクターとしては厳しい。(最近去年の最新モデルでやっと倍速対応されるようになったし。とはいえ偏光方式なら4K+デュアル光学システム(または複眼レンズ?)を採用するか、LG方式を採用すればいい。)

スクリーンを選ばないメリットも大きいので、おそらくその方式が主流になるだろう。ただし明るさがネックとなりますけどね。やはりレーザー光源を採用すれば、明るさ問題も解決されるかも?

一方、左右別々の偏光をかけた映像をプロジェクター内部で合成して投写する手法は、LGのような2重のシステムを用いる方法が用いられるのは、今だけの一時的なものだと予想している。

 単純に2倍のコストがかかるとすると、価格上昇による販売量の違いなどを勘案すると価格は4倍ぐらいに跳ね上がるだろう。20万円クラスのプロジェクターなら60万円、30万円なら120万円ぐらいが想定価格帯になる。

まあ、2台のPJ+偏光調整代を考えると妥当かも。VW85x2台+調整代になると、150万円代ぐらい?を覚悟する必要がありそう。もちろんシルバースクリーン代も考える必要もありますけど。ガチで3D画質を追求するなら、200万円コースを覚悟する必要がありそう。

とはいえ、不景気時代にそこまでやれる国内メーカーが存在するだろうか・・海外のハイエンド系メーカーしかできなさそうだが。

 将来はより高解像度なデバイスを用いて高解像度化(4K対応)を果たし、その上で光学系に工夫を加えるソニーの業務用プロジェクターと同様の手法を用いるのが良いが、今度は(パネルそのもの高解像度化というハードルもあるが)光学系のコストが問題になるかもしれない。

そういう方式だと、一層高品質な光学システムを求められます。4K対応レンズで複雑な光学システムだと、さすがにきつそう。LG方式PJの方がまだ現実的だなと思えます。

ということで、実のところまだ実用的な家庭向け3Dプロジェクターは、意外にも世の中にないことが分かる。今年年末に3D対応をうたうところもあるだろうが、本格的に技術がこなれてくるのは、おそらく来年か、再来年の年末商戦ぐらいになると思われる。

まあ、"IMAX 3D"クラスの3D PJが登場するまで貯金しておいた方がいいかもしれませんね。スクリーン代も貯める必要がありますなwスチュワート製シルバースクリーン(シルバー3D 350)が本命かな。ゲインは3.5か・・・ 2D画質との相性が厳しそう。ぎらつきがきつくなる問題もあるな・・(苦笑)

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コメント

mkuboさん、こんにちは。
まあ、出せるとしたらSONYだけなんですが、今年でたととしても、そのモデルは「実験機」でしょうねw
シルバー3D 350もそうなのですが、もはやPJに100万オーバーで出してもメーカーには「売れない」という事実しか残らないのですよ。
VW200のような素晴らしいPJが、いまでは全く売れていませんし。
価格は100万を超えたらオーディオと違い、苦労するでしょう。
Victorは4Kがありますが、3Dはまだまだですしね。
3D製品は発売数週間前に発表しては「認証」がおりませんので、主力であろう10~12月発売のSONYのモデルは前倒しで発表があるでしょうね。

投稿: 結うまい | 2010年4月20日 (火) 08時00分

>>結うまいさん

たぶん、偏光方式系機種はQUALIA 004みたいに扱われるでしょうね。VW85系統などのシリーズは、液晶シャッター付き+2D重視となるかなという気がします。数年後でHW15のような低価格機種は液晶シャッター方式が標準となるとか。

VWx00系はたぶん偏光方式対応かな。VW8x系シリーズは液晶シャッター方式でと予想していますw 3Dも2Dも画質にこだわるなら、少なくともスクリーン2つを用意する必要があるだろうと思います。せめてスクリーンの裏面はシルバー対応にすれば切り替えやすいけどね。(コストが2倍となるかもしれないが、設置場所に優先するなら良いかもしれません。)

投稿: mkubo | 2010年4月20日 (火) 22時37分

>>mkuboさん
SONYはQUALIA004のような価格帯はもう出せませんよ。
最高額でも120万ほどが限界でしょう。
偏光方式対応のVW300-D(仮称)もいずれ出るでしょうね。
4K対応だとVW400-Dとかw
ただ、値段は上記の価格で抑えるようにするでしょう。
ただ、コストに直接跳ね返るキセノンランプ搭載は、まず今後は出ないでしょう。

ただ肝心なのは、一般的にはPJも欲求レベルは飽和状態にありますので、実売60万程度で十分なのです。
倍の値段の意味があるを見出せないのは、一般人だけでなく編集者というプロ自体が、もう950とVW85で比較をしてしまっているからです。
VW85は80のリファイン版ですし、そういった意味ではVW200をリファインして、3Dを乗せれば面白いんですが・・・。
これももうSONYのTOPが、自分で責任を取れない事もありますからねえ。
難しいです。

あ、PanaのDMP-BDT900は素晴らしい色と音でしたよ。
お勧めです。

投稿: 結うまい | 2010年4月21日 (水) 21時35分

ううう、推敲する前に書き込んでしまったです。
文章がおかしくて申し訳ないです(゚m゚*)。

投稿: 結うまい | 2010年4月21日 (水) 21時36分

>>結うまいさん

まあ偏光方式だと、キセノンランプ搭載は4K搭載タイプでないと難しいでしょうね。

LG方式だと、2つのランプが要りますので、あまり現実的ではないです。4Kの場合、偏光対応光学システムにするとレンズ代が高コストとなります。MAX120万円台ならばどう考えても無理ですね。

やはりレーザー光源搭載だと素人でもはっきりわかるほどの差が(少なくともUHPを圧倒するはず。)出ていますので、100万円台だろうでも説得力が出てくるのではないか期待しています。

VW200をリファインにして3D対応にする場合、事実上偏光対応はあきらめるしかないです。キセノンの問題が一番ネックです。(4K対応ならば話が別ですが。ランプを1個にするのは可能ですし。)VW8x系なら、UHPランプを2個にしても対応できますからな。(消費電力が500~600Wとなるかな。ちなみにキセノンX2だと、おそらく1000~1200wとなるかな。もうドライヤーですね。)

(VW200ベースのPJ(キセノンのままだと)→偏光対応は非常に難しい。4K搭載しない限り、キセノンの問題(消費電力及び発熱)を解決できない。結局レーザー光源搭載待ちしかないことになります。)

やっぱりBDT900はよいですかね。一応新型PS3を縦置きにするようにしましたので、
とりあえず別のBDPのスペースを確保しましたがw 

http://home.cybergadget.co.jp/products/ps3/4544859010088.html
(僕が使っているものです。縦置きの安定性が高いところを気にいっています。純正品よりデザインがよいかも。)

(Linux起動の件で、SCEサポートの好意でなんとか認証解除してくれました。)

投稿: mkubo | 2010年4月22日 (木) 01時04分

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