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2010年10月 2日 (土)

「3D世界規格を作れ!」を読みました。

紙とeBookを両立:書籍を買うと全文PDFを入手できる本田雅一氏「3D世界規格を作れ!」が発売 - ITmedia +D PC USER

今日は本田雅一さんの「インサイド・ドキュメント 3D世界規格を作れ!」の発売日でしたので、吉祥寺の本屋で買いました。初めは近所の本屋に行ってきたが、みつからず。仕方ないので、吉祥寺に行ってきました。どこの本屋でも並んでいませんでした。店員に問い合わせしたり。数店の書店にはしごしながらやっと見つかったところです・・

どうやら、発売日といっても、いきなり発売日の午前中に本が並ぶことはないらしいです。午後でないと並ばないことがよくあるそうです。うーん、本屋の店員の怠慢としか言いようがないなw

内容は大変おもしろかったので、すぐに読了しました。書籍のタイトル名だけ見ると、3Dだけの話のように思えますが、実は、BDとHD DVD対立のことが深く書かれています。元東芝の山田氏のこともいろいろ書かれています。最終章あたり、山田氏の悪あがきが書かれていて、なんか悲しい気分になりました。まさか3Dで、HD DVD残党が滅びるとは思いませんでした。

パナソニックの大活躍がいろいろ書かれていますが、ソニーの貢献も、極めて無視できないほど大きかったことです。業務分野についてはソニーが大活躍していました。アバターの制作で使われた3Dカメラはソニー製でしたし。

面白かったのは、PS3問題のことでしたw BD 3D規格を策定するには、PS3で対応できるようにする必要があるんだと、ディズニーやソニーが強く主張していました。PS3で再生するには、毎秒40Mbps制限に抑える必要がありました。しかし、3D画質が劣化する問題もありました。

当時3000万台以上出荷された、PS3の出荷台数に魅力を感じていたハリウッドのほとんどもソニーの主張を支持していました。しかし、3D画質にこだわるパナソニックが強く反対していました。(特に、H.264HPを開発した柏氏が強く反対していた。)

そこで、SCEの開発者たちが必死でPS3のリソースの見直しを行い、ゲーム機ならBD-J非対応OKとすれば、毎秒60Mbps使えるようになることがわかったので、柏氏及びパナソニックが同意できたため、解決されました。

【西田宗千佳のRandomTracking】SCE開発陣に聞く、PS3のBlu-ray 3D対応の実際 -AV Watch

改めてその記事を読むと、SCEの開発者が本当に頑張っていたな・・と感じられます。

ディズニーが独自3D対応ディスクを出さない為には、Blu-ray 3D規格は、待ったなしでわずか短期間で策定しなければなりませんでした。フィリプスや20世紀フォックスが裸眼3D対応すべきんだと強く主張していましたが、技術的にはろくな3D画質にならないことが分かっており、結局フィリップスがろくな提案ができなかったので、結局パナソニックーソニー連合規格案が通りました。

ちなみに、国際標準規格がわずか短期間(8ヶ月)で策定されたことは、今まででもなかったそうです。それが長年光学メディアなどの国際標準規格策定作業に関わっていた日本メーカーの経験が大きかったのです。しかも、非常に完成度の高い規格案だったため、サムスンなど誰も反論できないぐらいだったそうです。

それにしても、パナソニックとソニーが規格策定で完璧すぎるほどに、協働できたとは本当に奇跡かもしれません。VHS対β時代を知る人々にすれば、本当に驚きです。まさに黄金コンビといってもいいです。漫画に出てくるようなストーリーレベルと思いますよw

アバターの成功により、3Dへの反応が180度変わったとの話も、書かれています。(アバターが出るまでは、3Dへの拒否感がかなり強かった。)

その話について、ゲーム業界にも良く似た話もありました。そうPS1の話です。

ソニーが1993年にゲーム業界に参入したばかりの頃、PS1は3Dゲーム(念のためですがポリゴンのことです)を作れるんだとアピールしていましたが、当時はスプライトという2Dゲームが全盛期だったため、サードパーティには全く3Dゲームに興味をもっていませんでした。皮肉にも、当時ライバルだったSEGAが、アーケードのバーチャファイター1を発表した際、PS1への反応ががらりと、変わったのです。ぜひ3Dゲーム作りたいとの雰囲気が急激に広まったのす。

そのことについては、麻倉怜士氏の「久多良木健のプレステ革命 (ワック文庫) 」が詳しいので、ご興味ありましたら、ぜひ読んでください。なお、旧称の「ソニーの革命児たち」の内容とほぼ同じです。

今は3DTVの売れ行きが苦戦していますが、本田さんの「3D世界規格を作れ!」で出てくる、開発者の頑張りを知ると、やっぱり導入を検討してみようかなと思いましたw もちろん素晴らしい3DTVであるのが必須ですが。早期にその製品が出てくるのを期待しています。

まだ読んでない方には、PDF無料版も配布されていますので、読んでみて面白いと思ったら、ぜひ購入を検討してみてくださいね。ちなみに、もし売れなかったら、次の本がでないそうです。本田雅一さんの本がもっと読みたいので、ここで微力ながら宣伝しました。

とても良い本ですので、ベストセラーになるよう祈っております。

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Blu-ray」カテゴリの記事

コメント

現在は,ローンチに効果が出るモノではなく,
普及にはやっぱり数年スパンかかりますよ。

シンプルなもの(Appleとか任天堂のプロダクト)以外はね。

なので,3D売り上げが苦戦する云々は,
そもそも,3Dが訴求力になるほどソフトの弾が揃ってないんだから
当たり前だよなあ,としか言いようがなくw

3Dは付加価値と言うよりは,
これからのTVの標準機能の一つぐらいに
考えておく必要があると思うんですよね。
トランスミッタ&眼鏡別売りというスタイルは
その一つの最適解かな,と思いました。

投稿: kon2 | 2010年10月 4日 (月) 10時10分

>>kon2さん

そうですね。そもそもコンテンツがそろってないのに、何をみればいいのか?との問題が起きていますね。

僕にとってのキラーソフトはやっぱりPS3ソフトでしょうね。GT5はもちろん、アンチャ3などが対応されるなら、3DTVの導入を真剣に検討するでしょうね。(今のところ、本命といえる3DTVが未だに出てきませんが・・)

うーん、考えれば考えるほど、ニッチ向けコンテンツが充実しないと、普及しないかなという気がします。

投稿: mkubo | 2010年10月 4日 (月) 21時10分

買い換えるほどのもんでもないし,
メーカーもそこまで消費者に期待してないと思うんですがねえw
うちもテレビはあと2〜3年の間に必然的に買い換えるので,その時は当然3D対応テレビを買うんでしょうね。
それぐらいで十分だと思うんですけどね。
アナリストとか評論家は
消費者が何でも飛びつくバカだと思ってるんでしょうかねw


東芝の20インチ裸眼3Dテレビは,
分かる人が見れば出血価格なんですが,
一般の方からすれば,3Dに特化してる分,
2D時のデメリットが多い(価格+サイズ+解像度)わけで。
ここらはXEL-1も同じ。
にしてもCell乗せてくるとはなあw
相変わらず,変なの作らせたら日本一だなあ(褒め言葉)
実際,解像度も頑張った方ですよね。
横解像度は実質7倍なわけですし。

投稿: kon2 | 2010年10月 5日 (火) 08時28分

一般家庭では、20インチで十分です。これなら買おうかなと思える今年の秋の製品ですね。
変な製品、ステキなほめ言葉です。
今のSONYには、その変が出来ないんですよね。
何やってるんだか・・・というのがこの1年の僕の感想です。

投稿: 結うまい | 2010年10月 5日 (火) 19時03分

>>kon2さん

東芝の裸眼3Dは予想以上頑張ったなとの印象ですね。4K相当のパネルを20インチでやるとは驚きとしか言いようがないですね。

Cellを投入したのは、やはり専用LSIを短期間で作る暇がなかったことでしょうね。Cellのメリットが間違いなくありますね。

>>結うまいさん

まあ、不況のこともあるでしょうが、東芝は重電や原発が主力なんで、AV事業は少々ニッチなことをやっても許される環境があるかもしれません。
ソニーの場合はAV事業が主力なんで、商品化の壁が高いでしょうね・・

投稿: mkubo | 2010年10月 6日 (水) 07時24分

>結うまいさん
まあ,東芝のこの技術も,
種自体はずいぶん昔に蒔いたモノなので,
余所は余所,と思いますけれどもw

>mkuboさん
まあ,cellの消費電力を気にしない,
むしろcellで萌える層しか買わないから
専用LSIをこしらえるより的確な判断ですよねw

投稿: kon2 | 2010年10月 6日 (水) 09時32分

>>kon2さん

それもあるかもしれませんね。

やはりプログラマブルで性能が高いものになりますと、発売日のギリギリまでチューニングできるメリットもありますね。

専用LSIは仕様を完全に固まってから作る必要がありますので、突貫工事のような開発にはCellがまさに向いているでしょうね。

多分ですが、来年あたり後継の720表示の裸眼3DTVはCell搭載しない可能性が高いかもね。

投稿: mkubo | 2010年10月 7日 (木) 07時21分

>>mkuboさん
ソニーの場合は,初物からなぜか専用LSIに拘っちゃうんですけどねw

今回の東芝はちょうどCELL REGZAをやってたから,
というのもあるのでしょうね。
現在発表したモノもまだ3Dのチューニングが終わってないらしいので,
今まさに進化中,開発中なのでしょう。

10インチの方は,解像度的に
出来合いのLSIで間に合ったという感じでしょうか。

投稿: kon2 | 2010年10月 7日 (木) 08時51分

>>kon2さん

まあ、Cellは元々組み込み用に向いてないのは事実だからな・・パナソニックのUniPhierみたいものでないとダメかもしれませんね。プログラマブルだからこそエンコードもデコードも細かくチューニングできるメリットがあるのにね。(一応デコード系ぐらいは、汎用DSPでソフトウェアを組む方法もありますが。)

東芝的には、PS3が大量に出荷されているおかげで、東芝も低コストで少量の部品(元々東芝がCell量産を担当していますし)を調達できるメリットあるのは見逃せません。独自にCellを強化したものを作るのは難しいデメリットもありますが。

10インチはとにかく安くしたものって感じですね。裸眼3D画質はなんちゃって画質らしいですし。本命は20インチのみでしょうね。

投稿: mkubo | 2010年10月 8日 (金) 07時40分

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