XCA7の正体はDRCの進化版だった!
例の震災により、当面の間、モチベーションが上がらず、当ブログの更新が停滞していました。通常モードにそろそろ戻りたいと思います。
新型映像エンジンであるX-Reality PROの正体が明らかになりました。その映像エンジンに搭載されているXCA7の正体はなんとDRCの進化版でした!
高画質技術:X-Reality PRO | 液晶テレビ BRAVIA 〈ブラビア〉 | ソニー
ソニー“BRAVIA”の新画像エンジン「X-Reality Pro」の実力は?
それから約10年に渡って「DRC」はソニーのテレビの技術の屋台骨になった。今回、名称はDRCとは言わないものの、まさに紛う方無きDRCの発想が、さらに強力な複数枚超解像として復活したことを、私は大いに喜ぶ。
麻倉怜士のデジタル閻魔帳:実力が試される薄型テレビ(1)――超解像技術の超進化
ソニーは、2009年の段階で一度DRCを外しました。当時の事業部長は、「コストが高いのに効果が薄い」と説明していて、私は“一体何を言っているのだろう”とあきれ、ソニーのものづくりの問題がここにもあると思いました。しかし研究所ではずっと開発を続けていて、今回復活させることに成功したのです。
X-Reality PROとは、X-RealityとXCA7とのLSIを組み合わせたものです。
X-Realityは去年のBRAVIAエンジン3の正常進化版だそうです。XCA7はもちろんDRCを進化させたもので、DRCとして第7世代となります。つまりDRCの進化版として復活したのです。2008年のBRAVIAを最後にDRCを外しましたが、単なる復活ではなく、強力な複数枚超解像度対応で大幅にパワーアップになり帰ってきたのです!
Youtube等の低解像度のIPTV対応も興味深い。
昔のDRCの弱点といえば低解像度ソース(VGA以下の解像度)との相性が極めて悪かったね・・ドットが荒くなる現象もあったし・・
そのDRCを進化させたXCA7でその課題を色々解決されたようで、楽しみですね。
麻倉さんの解説によれば、やはりDRCは超解像技術の1つだったのです。
超解像という技術が世間に知られるようになったのは、東芝が2008年に超解像対応TVを発表した頃かな。
超解像の1種であるDRCは1998年のWEGAに搭載されたと思うので、驚くべきですね。10年早かったのですね・・
当ブログで何度も書いていると思いますが、DRCを発明したのは元ソニーの近藤哲二郎氏です。元々ソニー在籍でしたが、ソニーの研究所を閉鎖される形で2009年に退社されましたが、出井氏などの支援により、川崎市で研究所を創立。近藤氏の部下達も、その研究所に移籍し、画像関連技術の開発等をずっと続けていたそうです。
「ソニーの出井伸之前会長が代表を務めるコンサルティング会社のクオンタムリープ(東京・千代田)は9日、画像関連技術の開発などを手掛ける新会社を設立したと発表した。高画質化技術の開発を長年にわたって手掛け、ソニーの業務執行役員SVPを務めた近藤哲二郎氏らと組み、開発成果の外部企業などへの提供を目指す。
新会社のI3(アイキューブド)研究所(川崎市)を設立、出井氏が会長、近藤氏が社長に就いた。資本金は5950万円で、出資比率はクオンタムリープが19.3%、近藤社長や社員が計46.2%。ソニーとシャープも16.8%ずつ出資した。ソニーとシャープはそれぞれ、開発成果を自社製品に搭載することなどを目指している。
[2009年10月12日/日経産業新聞]」
2009年の段階にDRCを外され、DRCの開発者もソニーを退社された時点で、DRCがもう終わったと悲観していました・・まさか数年後に復活されるとは思いませんでした。
ソニーのTV事業部も、2009年にDRCを外してから、その間はDRC以外の超解像アルゴリズムを色々検討してきたが、結局、やはりDRCしかないと再認識されるようになってきたかもしれません。
X-Reality PROの開発者のインタビュー記事を読む限り、何度もDRCという文字が出ていますね。近藤氏との連携についてははっきりと書かれてないが、麻倉さんの記事によると、XCA7の開発者が、「超解像技術を開発した研究所とは、相当、突っ込んだやりとりをしました」と書かれている。
おそらくソニーから離れた近藤氏らがXCA7の雛形のようなものを研究所で開発し、ソニーに提案。ソニーのTV事業部に認められ、ソニーがXCA7を正式に開発することになったと思われます。つまりIPレベルは近藤氏の研究所が供給。ソニーが実装という形でしょうね。一応近藤氏の研究所に出資しているシャープもIP採用する可能性がありますが、使いこなしはちょっと難しいかもしれませんね。一応ソニーは10年以上DRCを開発し続け、ノウハウが蓄積されていますからね。
XCA7の次には期待したいのはやはり4Kアップコンでしょうね。
今年に出てくると思われるソニーの新型BDレコーダー上位機種にもX-Reality Pro(XCA7搭載)が搭載される可能性が高いと思うので、楽しみですね。
多分絶対にやらないと思うけど、QUALIA 001の後継機種が出てほしいなと思います。XCA7かXCA8搭載で。4K対応とか。一応QUALIAブランドじゃなくてもいいと思いますので、何らかの形で復活してほしいと思いますね。
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コメント
もし出たら、応援したいですね。
勿論、ローンを組んででも買いたいです、4KPJはね。
ここ数年のsonyの絵作りに不自然さを感じたのは、結局はらしくなかったという事です。
今年はいろいろ大変ですが、頑張って欲しいなあ。
投稿: 結うまい | 2011年4月 7日 (木) 22時52分
お久しぶりです、ご息災でなによりでした。
ゲームに強いと思われる東芝3D REGZA ZG1の後継が今年の秋頃のようなのでこっちを買おうかなと心が動いていた所でしたw
でもハイエンドだけあって高い・・・車検もあったし・・・
PC用のモニタに積んである超解像度は単にエッジ補正と高コントラスト化でめりはりつける程度だったのですが、これはどのくらい効くのか楽しみです。
投稿: yoshi | 2011年4月 7日 (木) 23時50分
>>結うまいさん
早々のコメントありがとうございます。
001の後継の可能性はともかく、VW90ESの後継機種に搭載する可能性が高いかもしれませんね。4K対応のXCA8?搭載にも期待したいですね。(今年に出るかどうかは分かりませんが。)
ソニーの東北地方の工場は大変ですね・・HDCAM-SRテープが製造されている工場が津波で被災されたため、再開は未定とか。在庫がないらしく、テレビ業界やハリウッドが混乱しているらしいとか・・BDメディアも製造されているらしいので、今の在庫は問題ないかちょっと心配です。
投稿: mkubo | 2011年4月 8日 (金) 00時29分
>>yoshiさん
ありがとうございます。こちらは東京なので大したことがありませんが、精神的ショックの方が大きかったですね・・
X-Reality PROはHXx20シリーズなら搭載されているみたいですね。こちらとしてはBDレコーダーには期待してますが、ゲーム目的には内蔵型TV/PJか001のような外部スケーラーを使うしかないね・・・(苦笑)
投稿: mkubo | 2011年4月 8日 (金) 00時37分
私は1999年にSonyのワイドパネルプロジェクターのVPL-VW10HTを購入したのですが、同製品に搭載されていた、DRC-MFには感動した記憶があります。
私は当時大学生で、画像処理系の研究室に在籍していたのですが、当時はPCではまだPentium3が出始めのころで、処理速度が遅く、映像の実時間処理はかなり難しい時代でした。(研究室にあったSunのワークステーションでもVGAクラスの映像を、秒間10コマ処理できれば恩の字の世界でした)
それが、Sonyの10HTは、パネル解像度1366x768ピクセルの映像を、640x480、またはDVDの720x480ピクセルからリアルタイムに超解像化(初めのDRCは、リアルタイム8近傍平均化フィルターだったと思います)を実時間で処理していたのですから、驚異的な技術でした。
これを「コストが高くて効果が無い」という人は、技術音痴にも程がありますね。
投稿: T | 2011年4月 8日 (金) 12時21分
問題は技術オンチな人が、経営陣に多いという点でしょう。モノつくりの会社に技術に疎い人間がいる時点で、あまりいい事とはいえませんよね?自転車操業をSonyやPanaはすべきではないのですが、どうもここ数年は目先の数字のみを追っているばかりなので・・・。
心配なのですよ。
まあ、今年にPJが出たら応援のつもりでも買いますよw
投稿: 結うまい | 2011年4月 8日 (金) 12時25分
>>Tさん
そうですね。麻倉さんの著作だったかなと思いますが、当時の半導体技術としては驚異的だと書かれていました。しかもリアルタイム処理で行われている点もすごかったからね・・
XCA7も、通常のアルゴリズムならおそらくPCのハイエンドGPUクラスか、数十倍の高速処理の半導体でないと難しいかもしれませんので、消費電力が低いことを考えてもまさに先進的だなと思います。
ちなみに、引用した新聞記事ですが、以下のブログを参考させていただきました。
http://blog.goo.ne.jp/bongore789/e/ac3a7c1c9ea8a0e920d2793ccc2b1462
「ソニー最後の異端―近藤哲二郎」という著作を読みたくなったところです。恥ずかしながら知りませんでした・・
投稿: mkubo | 2011年4月 9日 (土) 09時13分
>>結うまいさん
まあ、昔からの課題といわれていますからな・・
かないまるさんみたいに職人タイプの技術系が多いためか、マネジメントもできる技術社員が出にくいかもしれませんね・・
DRCを切り捨てた事業部長の存在はともかく、技術に強い現場監督のような人材育成も重要だなと考えております。
投稿: mkubo | 2011年4月 9日 (土) 09時19分
DRCを切り捨てたという事業部長は、東芝がやったような再構成型超解像で十分という考えだったのではないかと思います。DRCに代わるものを搭載せずに切り捨てたのはまずかったのは事実ですが。
DRCは世の中に出てから10年以上が経過しています。半導体技術が進みチップの演算速度が10年前より遥かに高くなった現在では、アルゴリズムが簡単で単純な反復計算で結果を得られる再構成型超解像の方が同じ水準の映像を低コストで得られるのだと判断したのではないかと考えます。
当時の技術で再構成型超解像をやろうと思ったら高コストと遅延で使い物にならなかったはずですが、近年ではDRCに準ずる高画質映像を遥かに低いコストで実現できるようになったはずです。もともとが似たような考え方なので。
DRCは事業部長の存在とは関わりなく、遅かれ早かれ消える宿命だったのだと思います。技術的に枯れ始めていたのです。
投稿: | 2011年4月26日 (火) 14時30分
コメントありがとうございます。旧世代DRCに関しての話であれば、まあ同意しますけど、今回のXCA7世代は複数枚の超解像ですからね。仮にXCA7世代レベルかそれ以上を実現されているならば、まあ納得できますけどね。
また、近い将来に4K2Kレベルでも低コストで実現される時代が来たらたしかにDRCがおしまいかもしれませんが、問題はいつまで続くかとのことでしょうね。
投稿: mkubo | 2011年4月27日 (水) 00時06分
もちろん旧世代DRCの話です。XCA7によりソニーはまた他社の先を行くことになったと思います。とはいえ今回のXCA7のアドバンテージはせいぜい5年ぐらいかなとも思います。XCA7の考え方の基本であるDRCは発表当時は他社の10年以上先を行っていましたが、もうじき特許の有効期間も切れる頃です。そうなると他社もデータベース型の超解像を採用し始めて一気に画質が向上するのではないかと思います。
特にサムソンは30年に及ぶソニーの画像処理ノウハウを知る技術者を引き抜いているので、DRC特許の期限切れと同時に何かしてくるのではないかと戦々恐々としています。
4K2Kに向けて、DRCが登場したときのような驚きを与えてくれる技術の登場を、ソニーには期待したいと思います。
投稿: | 2011年4月30日 (土) 04時31分
参考になります。頼りは近藤氏の研究所とのパイプを確保されていることでしょうね。
XCA7世代についてはどうやらDRCが廃止されたはずの2009年あたりから開発を続けていたらしいので、実質的に中断されたわけじゃないらしいです。近藤氏が退社されるまで、XCA7プランが出来上がった可能性が高いかなと思います。
(半導体で実装する期間が長いので、数年でないと開発できませんので。)
課題は他社が追いつくまでに圧倒的な出来を持つ次世代XCA7が開発できるかとのことでしょうね。
投稿: mkubo | 2011年4月30日 (土) 08時22分
私はソニー時代から近藤さんを取材をしてきたものです。上記に指摘されているXCA7がDRCを進化させたものというのはソニー側の説明ですが、ソニーでも開発責任者に取材しましたが、どこを進化させたのか、私に説明出来ませんでした。むしろ私が見る限り、DRC-V3を劣化させたものではないかと思います。しかもXCA7の開発には、近藤さんも研究所も関わっていないというのが私の取材の結果です。
投稿: 立石泰則 | 2011年8月 8日 (月) 13時27分
>>立石泰則様
コメントありがとうございます。書籍、週刊ポストの記事等拝見しております。鋭い視点での記事には大変参考しております。
近藤さんや研究所には、XCA7の開発は全く関わってないそうですね。残念ですね。
ただ、DRC-MF v3より劣化しているとはちょっと言い過ぎのような気がしますよ。画質評価には定評のある麻倉氏はだまされるとは信じがたいと思いますよ。まあ単にDRC系統が復活しただけで歓迎している可能性もあるかもしれませんが。
まあXCA7は少なくともコストのかかっているチップといわれているので、実際に画質的には大した進化がなかったとすれば、いずれ外されると思います。(ただ他には使える映像技術をもってないので難しいかもね・・)
投稿: mkubo | 2011年8月 9日 (火) 08時24分
>mkuboさん
「ただ、DRC-MF v3より劣化しているとはちょっと言い過ぎのような気がしますよ」
との指摘ですが、正確に言えば、V3よりも解像度を落としているという意味です。なぜなら、ユーチューブなどインターネットからの映像(ひどい電気信号)に対応するためです。もっと正確に言うなら、V2.5のほうがV3よりも解像度は高いです。なぜなら、V3ではネット対応を広げたためです。だいたい、XCA7とDRCでは開発思想が違います。
DRCを完全に否定し、まったく新しく作り上げたデジタル高画質技術「ICC」(近藤さんとアイキューブド研究所が開発)を見れば、私の言う意味が分かると思います。これは、地デジのハイビジョン映像を4Kに変えるものです。5月に技術発表されました。そう遠くない将来、ICCを搭載された4K液晶テレビ(ここでは、4K2Kですか)を見ることが出来ると思います。
近藤さんは「自己否定」の人ですから、いつまでもDRCにとどまっている研究者ではありません。
投稿: 立石泰則 | 2011年8月 9日 (火) 21時40分
>>立石泰則様
うーん、ロジック的にはネット等の低解像度の入力信号に対応したモードを追加すればいいので、従来モード(480i/480p/720p/1080i/1080p)の入力信号に対応した解像度が低下するとはちょっと理解しかねますよ。
まあ画質的には従来より解像感が下がったように見えるとの意味なら分かりますが。同じ入力信号(1080i)での画質で比較されたでしょうか。入力信号によっては画質が変わるのは当然ですから。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200808/08-0828/index.html
DRC-MF v3の進化点を見直してみると、
従来では(v2.5)SD信号~1080i信号までだったが、1080p信号(60p/24p入力)に対応できるようになった。またプログレッシブ化対応で、インターレースの欠点だった動画解像度の低下問題を解消してます。現在の固定画素方式テレビ(液晶テレビ、プラズマ等)には有効なので、DRC-MF v2.5より解像度が落ちている意味は分かりませんよ。画質として解像感が落ちていたように見えたとの意味なら分かりますが・・
ちなみに、そもそもDRCが誕生したブラウン(WEGA)時代では、入力信号(480i/480p)がアナログ信号だけだったので、DRCの良さがかなり発揮していたのですが、今は固定画素が当たり前の時代です。HDMIのデジタル信号に対応する必要になりましたので、デジタル信号とDRCとの相性があまり良くないとの指摘が多かったようです。(デジタル入力はクッキリした信号が多いので、クッキリさせるDRCには相性が良くなかったでしょうね。)
DRC-MF v3には、その相性の悪さを克服するように改良されたと思われるので、たぶん、初期DRCの尖った点が丸くなってきたので、解像感が落ちていたように見えたかもしれません。
(ちなみにQUALIA 001はアナログ信号入力のみだったので、1080i入力なら極めて素晴らしかったのです。480i入力は正直言って期待はずれでしたが。)
DRC-MF v3にはネット対応とは書かれてるとはみえなかったのですが、たぶん勘違いされているのでは。
4K2Kに対応したICCの出来には期待しております。果たしてSonyが採用するか気になるところですが。
投稿: mkubo | 2011年8月10日 (水) 08時28分
>nkuboさん
技術の話はペーパーでしてもあまり意味がないので、これ以上は触れません。自分の目で確かめられることをお勧めします。それから、ソニーは採用しませんというよりもできません。ICCを使いこなせるエンジニアが残っていないからです。4Kは、単にHOの4倍密度という数字の話ではありません。ペーパー上では、そうでしょうが。ICCをどのメーカーの液晶テレビに載るかはもうすぐ発表されます。
いずれにしても、テレビが進化していくのを見るのは、とても楽しいですね。東芝のCIVOもその開発思想を含め私は好きです。いま信号処理の技術者がいちばん多く集まっている国をご存じですか。中国です。
中国の液晶テレビの進化も、楽しみのひとつです。
投稿: 立石泰則 | 2011年8月10日 (水) 10時59分
>>立石泰則様
まあ、DRC-MF v2搭載プロジェクター(VW100)、DRC-MF v2.5搭載BDレコーダー(BDZ-X90)を持ってますが、DRCの欠点が色々指摘されましたよ。DRC-MF v3搭載機種は持ってませんので、比較しようがないのですが、近い将来XCA7搭載BDレコーダーが出るかもしれないので、DRC-MF v2.5とXCA7でやっと直接比較できると思います。
(ただし基礎画質として最新機種の方が有利なので、不公平な条件といえますが。やはりQUALIA 001のような外部スケーラーがあれば公平に比較できると思いますけどね。)
主観的な評価はともかく、根拠のある理由を述べてなかったのは残念と思います。
中国については、DRC関連特許はまもなく切れるらしいし、半導体の高性能化もあって、中国メーカーにとってはやりやすいといえるかもしれませんね。ただ中国メーカーのブランド力じゃ、高画質化をアピールできるか課題かなと思います。
投稿: mkubo | 2011年8月10日 (水) 20時30分
「週刊ポスト」の連載最終回で、XCA7について書きましたので私の考えは承知していただけたと思います。所有されているプロジェクターとBDレコーダーに関しては、残念としか言いようがありません。DRCは、本来テレビを対象として開発されたものです。ですから、最終の絵作りはテレビ事業部と近藤さんの研究所が共同で仕上げました。
ところが、プロジェクターとレコーダーは事業部が中心になって進め、近藤さんと研究所は関与していません。つまり、最終の絵作りはテレビのような形で行われていません。ですから、どうなっているかというと、BDレコーダーに関して言えば、ブルーレイの電気信号をDRCで信号処理したあと、絵作りを作り込まなければいけないのに、そのままです。それでもDRCを搭載していないものよりも絵は綺麗でしたが。そのあと、テレビに電気信号を送るわけですが、テレビでは入ってきた電気信号に「フィルターをかけます」(歪みなどを矯正)、エンジンで信号処理します。エンジンから出てきた電気信号に再びフィルターをかけます。そして画面で映像になるわけです。
なにが言いたいかというと、DRCでせっかく綺麗になった映像がテレビ画面では効果が半減してしまうことです。テレビに搭載されたDRCで視聴されることをお勧めします。
ちなみに、DRCの特許は包括特許といいますか、複合特許ですから、特許が切れる場合はひとつずつということになります。でも他社にはノウハウがないので、というかソニーにもあまり残っていないので「完全版」を作れるところは近藤さんのところだけです。XCA7がDRCの一部の機能しか踏襲できなかったのはそのためです。
数字を参考にするのは大切ですが、それは現実ではありません。もちろん、承知されていると思いますが。
投稿: 立石泰則 | 2011年9月10日 (土) 02時12分
>>立石泰則様
コメントありがとうございます。
すみませんが、週刊ポスト最終回、読み逃しました。
月曜日以降、バックナンバーの置いてある近くの図書館で読みます。
http://www.library.metro.tokyo.jp/169/znsi.html#シユウカンホスト
PJ(プロジェクター)とBDレコの件はなるほどと言いたいところですが、僕はすっかり忘れたことがありまして、実は、数年前、DRC-MF v2.5搭載 KDL-40X5000を友人宅にてじっくり視聴していたことを思い出しました。
そのテレビでは、BD-ROM再生はまあまあという感じでしたが、放送画質としてトップレベルであるWOWOWのハイビジョン映画の画質は極めて期待外れでした。コントラストが極めていまいちでした。解像感もいまいちでした。
もちろんDRC-MFv2.5のせいというより、当時の液晶テレビの基礎画質が低すぎたことでしょう。
また、当時はXEL-1を持っていたこともあり、SXRD画質で肥えていた僕として厳しい評価になったと思います。(一応XEL-1は今もバリバリ使ってます。)
僕の知る限り、QUALIA 004 と QUALIA 001(DRC v2.0)との組み合わせは最高の画質でした。つまり基礎画質の高いデバイスでないと真の実力を発揮できないと思います。ですから、ICC + VW1000ESとの組み合わせが見たかったのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%A2#2007.E5.B9.B4.E7.A7.8B-3000.2F5000.2F7000.E3.82.B7.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.82.BA-
2006年 DRC-MFv2.5 X2500
2007年 DRC-MFv2.5 X5000
2008年 DRC-MFv3.0 XR1/X1
立石様いわく、DRC-MFv2.5がベストだそうですが、X5000を見る限り、そうかな?と思いましたけどね・・個人的には液晶テレビが好きじゃないので、(基本的に有機EL派です。)あまり評価してません。
もし近藤さんと会う機会がございましたら、QUALIA 001の後継機種を是非作ってくださいとファンとして伝言してほしいと思います。50万円台なら、喜んで買いたいと思いますよ。
投稿: mkubo | 2011年9月10日 (土) 22時06分
立石泰則さんのご著作「ソニー最後の異端―近藤哲二郎」は買って読んだことがあります。ラブレターを読んでいるみたいでしたね。立石さんはソニーを本当にこよなく愛している方なのだなと思いました。
投稿: | 2011年11月29日 (火) 05時20分
コメントありがとうございます。
正確には近藤さんの活躍された時代のソニーが大好きだったかもしれません。
その立石さんの最新著作にて、「さようなら、僕らのソニー」を出版してます。私にはまだ読んでませんが、近藤さんを追い出したソニーには失望を覚えたと解釈してます。
投稿: mkubo | 2011年11月29日 (火) 08時15分
最近のソニーは目先の利益に捕らわれている印象ですね。立石さんのご著作によると、人事は何も考えず簡単に有能な技術者を切り捨ててしまうし、成果主義の導入で社内の雰囲気は険悪であるそうですし、出産の繰り返しで仕事を覚えない無神経な女性の存在が周囲の士気を下げているという話も個人的に聞きます。
私もソニーを愛していますが、愛しているからこそ技術者軽視のソニーには失望します。ハワードには早々に去って頂きたいと思っています。生え抜きが役員に僅かしかいないというのも不快です。
投稿: | 2011年12月 5日 (月) 19時37分
まあ、内部事情はともかく、こういう環境で開発されたソニー製品の出来次第を見るかぎり、そこまで頑張っている社員はかなり優秀というべきかもしれませんね。
今年発売されたHMZ-T1、AX2700T、VW1000ESの出来をみても、本当に素晴らしいです。かつてのソニー製品に比べても、実に満足度も高い。
例えば、立石氏の主張によれば、今のX-reality Proは昔のDRCにも劣るそうですが、VW1000ESの完成度を見るかぎり、主張がかなり怪しいと感じます。専門家でも高く評価されている。
立石氏が酷評したといわれるHX920の画質も、HiVi等のベストバイには50インチ~59インチ部門、60インチ以上の部門で1位受賞、パナソニックのプラズマを抑えて2部門独占されております。
まあ立石氏の理想とするソニーの方向性と、現実のソニーがずれていると感じされ、失望を覚えているじゃないかねと感じます。
投稿: mkubo | 2011年12月 5日 (月) 20時32分