韓国LGの55型有機ELパネルは白色有機EL方式か
LGディスプレーが55型の有機ELディスプレーを開発 :日本経済新聞
韓国LG Display社は2011年12月26日、55型のテレビ向け有機ELパネルを開発したと正式に発表した。韓国Samsungグループも同様の開発を進めている模様で、大型の有機ELディスプレイ市場はこの2社の一騎打ちという様相になりつつある。
LG社の55型有機ELパネルは、厚みが5mm弱と薄く軽量で、消費電力も同社の液晶パネルよりも小さいという。コントラスト比が10万対1以上と液晶パネルに比べて高い。画素の応答速度も液晶パネルの1000倍以上であるという。
同社の有機ELパネルは、白色有機EL(WOLED)の発光素子にカラー・フィルタを利用することで、カラー表示を実現するタイプ。Samsungグループが、赤緑青色(RGB)各色の発光素子を塗り分ける方式を利用しているのと対照的である
噂の55型有機ELテレビは液晶パネルより消費電力が低く、コントラスト比は10万対1以上だそうだ。白色有機EL+カラーフィルター方式を採用するそうです。
ちなみに、ソニーのHMZ-T1は白色有機EL+カラーフィルター方式です。XEL-1はRGB有機EL+カラーフィルター方式です。PS Vitaの有機ELパネルはRGB有機EL方式かな。画質面としては言うまでもなく、XEL-1のRGB有機EL+カラーフィルター方式がトップです。
ソニーのHMZ-T1開発者いわく、白色有機ELの画質を決めるには、カラーフィルターの出来が重要になるそうです。色域はRGB方式に比べてやや狭いという面があります。カラーフィルターの完成度がキモになるそうです。
それにしても、韓国LGの55型有機ELテレビの値段によっては、プラズマはもうやばいかもしれませんね。最近まではパナソニックによるプラズマへの積極投資が凄かったのに、韓国勢のサムスン、LGはプラズマへの投資を行わず、減価償却も終わっており、赤字を出してないそうです。つまりプラズマは終わったと判断しており、有機ELテレビへの注力にシフトしたとみていいだろうね。
プラズマの発熱等の問題はいまだに解決されてないからな。有機ELは液晶に比べて、発熱があまりないし。画質面も厳しい。正直言って有機ELに勝てるポイントはまったくないのです。
プラズマにシフトしたパナソニックにはやはり大きなミスを犯したなと思いましたね。
5年前かなと思いますが、プラズマは将来には暗いだろうとのエントリーを書いた覚えはあります。当時はプラズマ勢はかなり好調だったのですが、大型有機ELテレビの登場は秒読みなので、結局予言通りになるかもしれません・・・
ソニーといえば、サムスン合併が解消されましたね。重い固定費の削減というメリットもありますね。2008年のリーマン・ショック前後あたりにさっさと解消すればよかったけどね・・2004年頃の状況は、合理的に合併しても当然といえる理由があったんですが、現在は供給過剰状態だしね。以下のニュースによれば、もっと供給過剰になる見通しになるそうです。パネル工場を持たない買い手にとっては有利な状況です。
中国、液晶パネル大型工場続々 「もはや汎用品」日本勢窮地に+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
ソニーが損切りするタイミングとしてはギリギリだったかもね。
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コメント
ともかく,
韓国製の有機ELは色相の視野角に問題有りと認識していますので,
その辺どう対策しているのか興味深いところです。
現状では液晶に比べるとその辺劣る感じです。
(もちろん,韓国製の液晶と比べても,の話です)
あえてしないのか,できないのかはわかりませんが。
まあ,省電力を武器にしてそのまんま発売するのでしょうけど。
その辺の商売はうまいよね。
日本メーカーは一定以上の品質がないと出さない症候群だし。
投稿: kon2 | 2011年12月28日 (水) 12時25分
>>kon2さん
今回は白色有機ELなので、実際に見ないとなんともいえませんが、カラーフィルターも使っているので、おそらく液晶テレビの視野角並に見える可能性もあります。
サムスンのパネルはカラーフィルターを使ってないので?、あの視野角になっているじゃないかなという気がします。XEL-1等のソニー系はカラーフィルターも使ってますし。
iPadのIPSは意外にも色相の変化があまり目立たないね。コントラスト低下もありますが、サムスンの有機ELに比べて色の変化が目立たないという感じ。
それにしても、城戸先生の提唱している白色有機EL+カラーフィルター方式が主流になりそうですね。おそらくコスト的にも有利かなと思います。
白色有機ELはある意味究極のLEDローカルディミング
を採用した液晶TVといってもいい気がしますね。
投稿: mkubo | 2011年12月28日 (水) 21時42分