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2012年1月12日 (木)

クリスタルLEDディスプレイ技術解説記事

【西川善司の大画面☆マニア】第155回:international CES特別編 -AV Watch ~勇気が生んだ“無機”材ELディスプレイの秘密~

かなり専門的ですが、半導体製造プロセスにて製造されたらしいです。

基板に対して積層していくことになるが、各LEDは、CLDのドットピッチで生成されることになる。500℃以上で溶解された無機素材を結晶(Crystal)化させて成形していく工程は、一般的なLEDと何ら変わるところはない(なお、Crystal LED Displayの“Crystal”はここからきているらしい)。寿命も無機材のLEDなので、LEDそのものの寿命をイメージすれば良い(数万時間)。

今回発表されたCLDのサイズは55インチ。寸法でいうと横約1,210mm×縦約680mm程度で、ここに1,920×1,080ドットの画素があるのでドットピッチは約0.630mm(630μm)。1ドットあたりRGBの3サブピクセルのLEDで構成されるので各LEDサブピクセルのピッチはわずか0.210mm(210μm)ということになる。つまり、CLDには、210μmで個別駆動可能なLEDが約600万個実装されていることになる。

最新の半導体製造プロセスは、nmオーダーの世界に突入している。ちなみに、ソニーのプロジェクタで採用されているソニー独自のマイクロディスプレイ技術の産物である反射型液晶パネル「SXRD」(Silicon X-tal Reflective Display)は200nm(0.2μm)の製造プロセスによって製造されているわけで、半導体の製造プロセスの観点からすれば取り立てて凄い微細度と言うことではない。しかし、よく知るLEDがこの精度で、この大きさで成形されていると思うと驚くべき高精細な製造技術だ……と感心せざるを得ない。いわば、横1.2メートル、縦0.68mの複合半導体(プロセッサ)を製造したということだ。

ある意味SXRDの親戚だといってもいいかもしれませんね。

”クリスタル”という意味が分かった気がしますね。半導体だから石という意味があるし。

もしかしたら、製造についてはSXRD並かそれ以上の難易度を求められているなら、他社がとても真似のできない領域になるかもしれません。

今回のCLDでは、これまでの有機ELテレビ製品でやってきたような面発光方式を採用しておらず、画面上から下に向かって1/60秒周期のスキャン表示を行なっている。各画素の表示期間はおよそ1ms未満にしており、その表示特性は極めてブラウン管に近い。

LEDの発光応答速度はμs(マイクロ秒)やns(ナノ秒)のオーダーだが、人間の視覚メカニズムがそこまでの短残光を知覚できないので、意図的に1ms程度にしている。今回のCESで韓国系メーカーが「液晶の1,000倍の応答速度速さ(つまりはマイクロ秒)」として有機ELテレビを訴求しているが、そのメッセージに画質的な優位性はないことだけは言っておこう。

それでは「CLDは面発光ができないか」というとそういうことではない。

実際にはCLDでは面発光の仕組みの採用も検討されている。しかし、今回はブラウン管のような、キレのある動画表示性能を実現するためにあえてスキャン表示方式が選択されたと言うことだ。

今後、最終製品でどちらを採用するかは未定だという。

なるほど。ブラウン管ライク方式で表示させているか。あの帯はブラウン管やSED、FEDの画面を撮影すれば、表示されますね。肉眼では見えません。念のため。

一応有機ELのように面発光方式も可能ということか。

ただ、ソニーのFED、東芝/キヤノンのSEDの失敗など、「鬼門」と言われつつあった新ディスプレイ技術開発に挑戦し続けたソニーCLD開発チームの“勇気”と“根気”には、拍手を送りたい。

全くですね。3年前といえば、リーマンショックが起きた年。リーマンショックにより、ストリンガー氏が色々リストラしてきたが、その研究・開発をリストラせず、むしろ大規模投資してきた。

少なくともストリンガー氏の功績として評価してもいいと思いますよ。(まあ異論はあると思いますがw)

ソニーは液晶/プラズマに代わる第3のディスプレイ技術としては電界放出ディスプレイ「FED」(Field Emission Display)の開発も行なっていたことを知る人も多いだろう。2006年には、このFED事業を分社化するも、2009年には事業継続を断念、関連技術は2010年にAUOへ売却されている。CLDの開発は、このFEDとも無関係で独立で進められてきたとのことだが、最終的にはFED開発に関わった研究メンバーも合流しているとのこと。

なるほど、元FEDの研究メンバーが合流したことで、FEDと同じスキャン表示方式で表示させているかもしれませんね。できれば、面発光方式と、スキャン表示方式の切替ができたら理想的だなと思いますな。

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コメント

ストリンガー氏の目の届かない場所でコッソリやってたのが正解ですよ。
退任までの2年間のストリンガー氏はハリボテみたいなもんですから

投稿: | 2013年6月28日 (金) 11時56分

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