« ミッション:インポッシブル-ゴースト・プロトコル | トップページ | 週刊東洋経済 5/19号は読み応えあり! »

2012年5月12日 (土)

サムスンの55型有機ELテレビの量産機が発表されたらしいね

Samsung、55型有機ELテレビの量産機を公開 -高画質/狭額縁。デュアルビュー機能も

サムスン「世界初」宣言 55型有機ELテレビ発売発表

画質、消費電力は気になりますね。

画質面はサムスンとして徹底的にこだわっているとは思えんので、あまり期待しない方がいいでしょう。

サムスンは高級品を有機ELに徐々に切り替える方針で、薄型テレビの世界市場の大半を液晶が占める構図は当面変わらない。
金事業部長は「(有機ELテレビが)主流になるには2年か3年かかると思う」と述べた。

あのサムスンでさえ、2~3年かかるという慎重なコメントを出しているあたり、やはり量産化にあたって苦労しているなと分かります。

日本勢にすれば、猶予は1~2年ぐらいあるとみてもいいかもしれません。
ソニーは2013年度までに発売しないとまずいかもね。

アナリストらの事前予想より4割程度高い水準だが、同社はこの製品を薄型テレビの価格下落を抑え込む切り札と位置付けており、強気の値付けを崩さない構えだ。

強気というより、精一杯なのではw

55型でのRGB方式有機ELパネルの量産化を図るなら、コスト的にはずいぶんきついだろうと素人の僕が予想していたぞw

初めから大量量産できるとは思えないので、安い値段にしてもあまり意味ないからね。

韓国LGの白色有機EL+カラーフィルター方式(RGB+W)は、コスト的にも有利なので、
おそらくサムスンのものより安くなる可能性が高いです。

図解 次世代ディスプレイがわかる



西川善司氏の書いた本。2009年1月に発行されたもので、
2008年11月の時点で記述されているため、色々古くなってますが、
世の中にある、あらゆるディスプレイ関連の技術がわかりやすく解説されてますので、
オススメです。ディスプレイの技術に関して体系的に解説している本はあまりないので、とても良書だと思います。プロジェクター関連にも詳しく書かれてますよ。

近くの図書館で借りることができたので、読みました。

全体的には良い内容になっているとおもいますが、個人的に気になったと思った点は、有機ELはインパルス駆動であると書かれている点です。おそらく西川氏の勘違いかなと思う。あるいは書き方がわかりづらいとか。確かに実質的にインパルス駆動にするのも可能ですが。

有機ELは液晶と同様にホールド型が基本であって、応答速度が液晶より非常に速いため、擬似インパルス型にしやすいだけです。

XEL-1開発者も、擬似インパルス型にしていると明言しております。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0712/17/news047_2.html

対して有機ELは、電気の入/切で表示をコントロールできますから、1フレーム(60分の1秒)ごとに光っている時間と光らない時間を混在させ、液晶テレビの黒挿入に近い効果を得ています。そのため、見た目の動画性能も上がっています。

ソニー独自であるスーパートップエミッション方式についてわかりやすく解説されているのが注目です。

やはりスーパートップエミッション方式は、カラーフィルターを組み合わせたRGB有機EL方式です。つまりRGB有機EL+カラーフィルター方式を採用しているのが特徴的です。

サムスンの有機ELパネルは、カラーフィルターを使ってません。大型RGB有機EL方式もカラーフィルターを採用してないと明言されています。

わざわざカラーフィルターを採用するスーパートップエミッション方式のメリットはやはりたくさんあります。(126p~127pに記載。)

・TFTの開口率とは関係なく、最大の輝度が得られる。
・外光反射の低減効果により、不要な色成分(例えば緑発光なら他のRB(赤青)成分)の影響を受けにくい。
・発光効率と色純度向上を図りやすいので、
結果的に高輝度や高コントラストが実現されやすくなる。

ちなみに、白色有機EL+カラーフィルター方式は、発光した光の1/3しか使えないので、発光効率が悪いと書かれてます。(韓国LGは改良した方式を採用してますが。)

ソニーがAUOと提携かとのエントリーを以前書きましたが、もしソニーの独自技術を完全に導入した場合、AUO製はサムスン製より高画質になる可能性が高い。AUOが外販した場合、AUOパネルを採用したソニー以外の他社有機ELテレビがサムスン・LGより高画質になる可能性は十分あると思います。

東芝あたりが有機ELテレビに参入した場合、AUO製を採用しそうな気がしますw

おそらく画質面は当面韓国勢が追いつくとは思えませんので、AUOパネルがブランド化になる可能性もあります。まあ低価格機種は韓国パネルを採用するけど、高級機種はAUOパネルを採用する形になると思う。ちなみに4K2K液晶テレビはAUO製液晶パネルを採用しているらしいし。

それほど高画質な有機ELパネルをAUOが外販してしまうリスクをソニーが許しているのは、クリスタルLEDの画質についてかなり自信を持っており、量産化にも自信を持っているかもしれません。

クリスタルLEDはBVMシリーズの有機ELマスモニより高画質である強みもあります。

サムスン・LGは、有機ELでやる限り、そのマスモニ画質を超えるとは全く思えませんので、消費者には、そういう画質差はいかに理解されるかが鍵かもしれません。ソニーがAUOのコスト競争力をうまく活かせば、リードできるチャンスが出てくるかもしれません。

|

« ミッション:インポッシブル-ゴースト・プロトコル | トップページ | 週刊東洋経済 5/19号は読み応えあり! »

オーディオビジュアル関連」カテゴリの記事

LEDTV」カテゴリの記事

コメント


消費電力が特に気になりますね。

まぁ「~まで発売する」と宣言しておいたから、
100台でも10台でも「発売しました」出来れば
それでいいと思ったのでしょう。
メーカーとしての動きは正解かと思います。

でも、問題は高い値段の割に
それ相応の画質が得られるかどうか。

韓国人の平均月給が300万ウォン台だと
されている中(格差が大きくて実際の
中産層の月給はそれより少ないですが)、

1000万ウォン以上もするという価格・・


これなら少し様子を見てクリスタルLEDを
買いますね。私は。

投稿: シンシアリー | 2012年5月13日 (日) 05時48分

>>シンシアリーさん

韓国市場での先行発売の狙いは、とにかく早く発売したという事実が欲しかっているように見えますね。少数出荷にすれば何らかのクレーム来ても十分に対応できる範囲ですしw

韓国の購買力を考えても売れることには全く期待してないでしょうねw

投稿: mkubo | 2012年5月14日 (月) 07時26分

>シンシアリーさん
まあ,サムスンという(外国依存の)大企業
が韓国国内でしか販売しませんから,
推して知るべし,というところでしょうw
ヘタに日本とかアメリカとかサウジとかで出すと
75万程度だったらホイホイ買うバカ(褒め言葉)がまだ一杯いますからねえw

ソニーの11インチXEL-1や業務用25インチPVM-2541あたりなんてバックオーダー抱えてましたからねえ。

>>mkuboさん
なんというかサムスンの素の技術力が最近分からなくなっています。
GALAXY Noteを触る機会があったのですが,
相変わらず,ペンタイル配列でありまして,
同じサムスン製でほぼ同サイズ同解像度であるところの
PS Vitaの方がよかったりするのですよ。
iPadのretinaディスプレイと同じ構図かもしれませんけども,
特注品は取引先のパテントに依存してをつくるため,
自社製品に応用できないのか,
コストありきで自社製品には低コストな製品を使っているのか,
どうなんでしょうね。

ちなみに,GALAXY Note ちょっとコンセプトが好みだったのですが,
動作スピードやもろもろが相変わらずガラクタークヲリティw
コンセプトはいいんだから,もう少し実装能力付けて欲しいなあ。
胡座かいてるみたいだけど,XPERIAの操作感覚,世代を重ねる毎にどんどんよくなってるから,追い越されるよ。

投稿: kon2 | 2012年5月14日 (月) 09時20分

>>kon2さん

多分スペック番長で、カタログスペック優先の観点から実際の画質にもこだわってないじゃないかなw

言われたとおりに作るなら、出来がいいものが出てくるかもしれません。自分で考えて本当にいいものかと判断できる能力は乏しいかもという気がします。

GalaxyNoteはちょっとしか見てませんが、(ペンは使ってません。)確かに有機ELの画質は期待外れでしたね。

国内ライターとか海外では結構持ち上げられているらしいけど、果たして本当に評価通りか気になりますね。あるいは過剰評価だったらまずいでしょうね。

投稿: mkubo | 2012年5月14日 (月) 21時31分

>>mkuboさん
なんというか,タッチパネルの追随性が悪い。
XPERIAはその辺がとってもiOS製品に肉薄してる。
もちろんAndroid随一な完成度。

と最近思ってたら,こんな記事。
AndroidのDTMアプリが充実しない理由とは?(AV watch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/20120514_532607.html

まあ,気のせいではなく本当のことのようだw

PlayStation Certified端末でも現状遅延があることを考えると,Androidでアクションゲームというのは随分と割り切らないといけないみたいだねえ。

投稿: kon2 | 2012年5月15日 (火) 08時24分

>>kon2さん


ネイティブコードで記述しても改善は難しいとは驚きました。一部ではPS VitaにAndroidを搭載せよとの声もありましたが、本当に搭載しなくてよかったなと実感してます。

例の東洋経済によると、最近のグーグルはAndroidのカスタマイズ制限が厳しくなっているそうです。AmazonのKindleFireみたいな方法は別ですが。結局独自OSを採用した方が正解だったようですね。

投稿: mkubo | 2012年5月16日 (水) 07時55分

有機ELテレビは一般家庭用に32~40インチでかつ4Kx2Kで出すべきだと思います。価格を20万以下に抑えるとかなりインパクトがありそうです。4Kx2K用の超解像技術もあるので差別化出来そうです。韓国メーカーは有機ELでの4Kx2Kは全く考えていないと思われるので主導権が握れます。

投稿: よし | 2012年5月16日 (水) 10時47分

>>よしさん

>価格を20万以下に抑えるとかなりインパクトがありそうです。

それができれば凄いと思います。現実的に有機ELの生産技術がネックになってますので、高精細・高解像度の液晶に追いつくのに苦戦しているところです。

もし実現できたら、液晶は終焉へ向かうかもしれませんが、いまのところはそういう気配がみえませんので、当面は難しいかなと思います。

投稿: mkubo | 2012年5月16日 (水) 23時03分

>>mkuboさん
液晶はIGZOのおかげで,伸びしろが増えましたからね〜
変な有機ELでは敵わない気がするんですがねw
サムスンの大型有機ELは応答速度を稼ぐために
そうとう無茶やってるみたいなので(その辺が消費電力に反映),
どうなんでしょうねー。寿命や劣化がヤバイ気がするんですが。

ちなみに,業務用ですが,
ソニーのPVM-L2300(液晶)とPVM-2541(有機EL)は
消費電力ほぼ一緒で最高130W,平均80W。

ソニーは有機ELを「いいもの」に育てようとしてたし,
実際品質は文句なしのレベルにありますが,
韓国勢が相変わらずのやり方で荒らしているのが気になります。

投稿: kon2 | 2012年5月17日 (木) 08時50分

>>kon2さん

元々LGが最初に55型を投入すると発表していたのに、
サムスンはなんか慌てて発表したように思えます。
詳しい経緯はわかりませんが、かなり無理している
可能性は高いと思います。サムスン関係者のコメントを
見ても、弱気ですし。サムスン社長?とパナソニックの新社長との面談の話によると、サムスンによる有機ELの外販は極めて厳しいという状況です。

おそらくメンツ優先でやっている可能性も考えられますので、少なくとも初期ロットは買ってはいけないでしょうね。まさしく人柱専用だと思います。

パナソニックとの連携の話ですが、パナソニックが2015年度までに、大型を出したいといってますので、おそらく開発は遅れているのではと思われます。仮に提携した場合、当面はソニー方式を優先するかなと思います。
パナソニック方式の導入はいつからやるか調整している可能性もあるかもしれません。

ソニーの立場としては、AUOとの連携だけで十分という可能性もあるので、パナソニックの立場としてやや厳しいかも?という気がします。パナソニック側にも、ソニー以外のパートナーがいるかちょっと疑問ですね。東芝は多分外販待ちというスタンスでしょうね。

投稿: mkubo | 2012年5月17日 (木) 23時40分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: サムスンの55型有機ELテレビの量産機が発表されたらしいね:

« ミッション:インポッシブル-ゴースト・プロトコル | トップページ | 週刊東洋経済 5/19号は読み応えあり! »