「エアボード」「ロケーションフリー」の商品化が実現できたのは、なんと久夛良木さんのおかげだったらしい
「エアボード」「ロケーションフリー」開発秘話(第5回) (要会員登録で無料です。)
LFXプロジェクトは、当時の安藤社長(当時・代表執行役社長 兼 COOの安藤國威氏)が担当役員であり、本社所属のプロジェクトだったことは前回の連載でお伝えした通りだ。商品化に向けた“インフラ”のない本社では商品化が難しかったのだが、久多良木さん(当時・代表執行役副社長の久多良木健氏)が自らの担当事業部門だったブロードバンドネットワークカンパニー(BBNC)に引っ張ってくれたことで道が開けたのだった。
久多良木さん自身、ソニーコンピュータエンタテインメントで家庭用ゲーム機「プレイステーション」の事業を立ち上げたこともあり、世に送り出す商品へのこだわりは強いものがあった。LFXプロジェクトがBBCNに異動した後、久多良木さんにLF-X1のモックアップを見せた際に、ひと言、「(ディスプレイ部の厚さが)5mmならいいね!」と発言したことを覚えている。
久夛良木さんの働きかけがなければ、商品化はなかったかもしれないということか・・・
その創業者が作ったSCEがnasneという商品を生み出していたのも興味深いだろう。
さすがデジタルの申し子である。もし久夛良木体制が実現された場合、前田氏はおそらく地位の高い幹部に就いた可能性が高いじゃないかなと思います。当時のSonyには、デジタル関連に極めて強いと言われた社員は、久夛良木さん、前田悟氏、近藤哲二郎氏といわれていた。別名ソニーの三悪人という呼び方もあったらしいw
確かに共通しているのは、個性の強い点であること。
やはり、出井氏が握りつぶした幻の"久夛良木体制"は見たかったのである。
前田氏と久夛良木さんが居酒屋での話し合いで、PSPへのロケフリ機能搭載が決まったのは有名な話である。PSP発売前に決まったそうだ。
さらに2004年は、エアボードやロケーションフリーテレビの歴史にとって初めて、パソコンや他のソニー製品との連携を進めた1年となった。その一つが、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル」(PSP)との連携である。2004年7月にSCEのトップだった久多良木さんと2人で飲みながら、その年の暮れ(2004年12月)に発売予定のPSPに、ロケフリ(ロケーションフリーテレビ)の機能を搭載することに合意したのだった。実際、PSPの発売時点で動作確認は終わっていたのである。
数年来、ソニーの問題点として「縦割り組織が問題」「サイロを壊す」と言われることが多いが、これはまったく本質を理解していない人間の言葉だと思う。PSPにロケフリの機能を搭載した際も、ソニーとSCEという別会社であっても、両社が商品を真剣に考えて、やりたいことがクリアすれば、組織の壁は存在しないことの証拠といえるだろう。実際、経営トップが「サイロを壊す」と訴えてからもソニーの商品力は落ち続けている。その意味では現在のソニーが掲げる「One Sony」も果たして意味のあるスローガンなのか疑ってしまう。
まあ、相手が久夛良木さんだからできた気がしますな。ただ他組織と交流するためのエネルギーがかなり要るので、経営側の支援も必要かなと思います。
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