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2012年11月29日 (木)

麻倉さんの記事を読んで思ったこと

“4K Inter BEE”から最新BDレコーダーの優れた機能まで、4K最新事情

気になる記述があったので、取り上げたい。

先週の休日に、アバックのイベントに行ってきました。チェックしたのは三菱のHC8000D、JVCのDLA-X75R、ソニーのHW50ES。

HiVi,AV REVIEWでプロジェクター機種のランキングで1位を獲得されたJVCのDLA-X75Rですが、去年のモデルに比べて、4K表示の不自然感がずいぶん減った印象。でもVW1000ES以上とは思えなかった。VW1000ESは2位とは納得いきませんね。去年のモデルなので、大人の事情でということでしょうねw

でも昨年、私はメーカーに指摘しました。旅番組のステディカム撮影などはパンフォーカスで問題ありませんが、映画はそうではありません。映画というのは、監督がボカすところはボカし、見せたい人物にフォーカスをあてるフォーカス操作を行います。しかし、超解像がすべてにかかっていると、画面のすべてがくっきりと見えてしまいます。例えば「サウンド・オブ・ミュージック」のドレミの歌のシーン。背景の山やお城までシャキッとしてしまうのはやっぱりおかしいでしょう?

去年JVCの4Kプロジェクターの4K表示についての違和感については、解説されると、なるほどだと思います。やっぱりプロは見逃さないことですね・・

ただ、麻倉さんの指摘を読んで、あれ?と思いました。これはまるでICCの問題点について言っているように見えました。

CEATEC 2012へ行ってきました

もう1つは、映画のように“制作者の意図”でボカすケースもある映像について。ICCの映像は、パンフォーカスの写真のようにすべてクリアに見えるが、それが作品性を阻害する可能性はないのだろうか。しかし近藤氏は「人間の目は、焦点の合っていない部分は自然とボケるため、問題ない」と話す。「既存の超解像技術は、ピントが合っている部分のみを精細に見せるだけ。それは(ICCでも)当たり前にできている」(近藤氏)。

4K対応は大型直視型ディスプレイにはもはや必須

また、ICCのテレビが従来の製品と異なるのは、フォーカスです。ブラウン管時代は、真ん中にフォーカスがきて、周辺はボケるのが普通でした。しかし、中央だけではなく、周囲もきちっとしたフォーカスがあることがICCでは必須です。「人為的にぼかす」ということは近藤さんの辞書にはありません。映画の世界とは違い、少なくとも風景映像やドキュメンタリーなど、情報性が重要な映像で大切なのは、周辺部のフォーカスです。それも含めてミリ3本の密度が必要ということでしょう。

麻倉さんはICCの映像を高く評価していますが、麻倉さんの指摘と矛盾しているように見えます。まあ、僕には映画に関してはチェックしていませんので、最適化されている可能性もありますね。

麻倉氏: よい例が、ソニーが10月に発売した新型Blu-ray DiscレコーダーBDZ-EX3000です。「VPL-VW1000ES」と「BDZ-EX3000」の組み合わせこそ、現在のリアル4Kでは“最強の画作り”だと思います。

「BDZ-EX3000」には「CREAS Pro」による独自の超解像技術があります。そのすごいところは、超解像の効き方を“下げられる”ことです。開発したのは、BDレコーダーの画質顧問で、私が“画質人間国宝”と呼んでいる平井さんです。最近ではヘッドマウントディスプレイの「HMZ-T2」の画質調整を担当しました。彼のような画質エキスパートから見ると、超解像をがんがんかけると、中域の精細感が上がって情報量は出てくるけれど、ものによってはぼてっとした画調になることもあるということです。

麻倉さんがソニーのBDレコーダーの画質についてずいぶん絶賛したのは初めて聞いた気がします。EX3000はAX2700Tに比べてかなり進化しているらしく、いい出来になっているらしいので、予算があれば買い換えたいなあ・・w

それにしても、麻倉さんが画質の神様とリスペクトしている人材がソニーにおられるのはのは興味深いです。以前、そのような人材はもういないという話を聞きましたが、どうやらデタラメだったでしょうね。

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コメント

>しかし近藤氏は「人間の目は、焦点の合っていない部分は自然とボケるため、問題ない」と話す。
>「既存の超解像技術は、ピントが合っている部分のみを精細に見せるだけ。それは(ICCでも)
>当たり前にできている」(近藤氏)。

とても理に適った高画質理論ですね。
現実の世界のあるあらゆるものボケていませんしクッキリしています。
しかし、焦点が合わない部分はボケます。
映像を見せられた時、視聴者は映像の何を見るでしょう。
それは人それぞれだと思います。
人それぞれだからこそ、映像の色々な部分が見られることになります。
つまり、見られてしまう部分は現実と同じ焦点が合うのですから、クッキリ
している必要がある。すなわち映像のすべてがクッキリしていなければいけません。
これこそがICCの高画質理論でしょう。
ICCはまさに現実と人間の特性を利用した高画質理論なのでしょう。

投稿: | 2012年11月29日 (木) 23時22分

現実世界を忠実に再現する意味であれば
確かに正しい理論だと思います。

しかし映画の世界においては、果たしてその理論が通じるか疑問です。監督の意図通りに再現されるのであれば問題ありませんが、ICCとの相性は問題ないか一番懸念しているのです。

映画はある意味フィクション世界なので、ICCは現実世界を忠実に再現する意味としてそもそも相性が悪いかもしれまません。

投稿: mkubo | 2012年11月30日 (金) 01時14分

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