本田氏のツイートが話題になっています。PS Viatに対する厳しい言及。
本田氏いわく、PS Vitaは既に終わったそうです。
PS Vitaに関しては、現状については確かにその通りですが、来年、再来年云々については、全く的外れだと思いますよ。
本田氏メルマガ(本田雅一のモバイル通信リターンズ Vol.019 )を読みましたが、やはり首をかしげました。ある面は正しいですが、別の面は全く分析されてない。
ハードの売り上げ云々は確かにその通りですが、気になったのはソフトの投入についてはまったく言及されてない点です。
キラーソフトが投入されてない点も無視している。PSプラットフォームの強みであるコアゲーマー層の特徴は無視されている。
著作権の問題により、全部引用することはできませんが、気になった箇所のみ引用。
典型的な例はPlayStation Vitaでしょう。もっとも売れている日本でも、110~120万台程度でしょうか。スタート初週こそはそこそこの数字を出していたものの、その後、大幅な回復もなく、最近はゲームバンドル版などでプロモーションをかけても週あたりの売上げが2万台に届かず、酷い時には5,000台さえ切っています(メディアクリエイト調べの数字)。出足が遅いと言われたPS3よりも遙かに普及ペースが遅い。
Vitaに採用されている基本ソフト(OS)は、なかなか優れたもので、ユーザーインターフェイスなどを含め、アップルとは異なる切り口で新しいユーザー体験を生み出せる可能性を秘めていると思います。
しかし、現状のハードウェア形態では、ローンチスタート時に必死で大きくしていかねばならないイナーシャを生み出す、モーメンタムの大きさがありません。GPUを強化してグラフィクスの高速化を図っていたため簡単には比較できないとはいえ、Cortex-A9のクアッドコアを持つ5インチディスプレイ……というスペックですから、実のところスマートフォンにも追いつかれてきているということですよね。
ハードウェアの性能をコントロールしている(大きさ、重さ、アプリの動作具合などのバランスを取っている)アップルは別にしても、Android端末のゲーム機化を狙っているグーグルは、近い将来のAndroid(5.0? )ではゲームアプリ向けの機能や性能を強化していくと言われています。さて、そのころにはどんなスペックのスマートフォン、タブレットが生まれているでしょうか。
旧来のキャンディーバー型携帯ゲーム機の切り口では、とても良い製品を作り、全力でプロモーションをかけ、イナーシャを溜め込もうとしているのに、なかなか思うように勢いがつかないのは、やはり思い切って進んだ方向、力のかけ具合が違っていたからという他ないでしょう。もちろん、スマートフォン、タブレットに比べれば、遊びやすいようコントローラなどで工夫されていますが、それだけでスマートデバイスに対して優位に立てるとは思えません。
この箇所は、首をかしげました。
とにかく売る意味として、正しい指摘かと思いますが、これはコアゲーマーとしてのゲーミング体験を否定する意味になります。 まるでコアゲーマーとしての存在意義が否定されたような気分になった感じです。
PS Vitaのようなゲーミング体験は他にはない。匹敵できる体験を実現できるものがあればぜひ教えて欲しいです。
少なくとも本田氏はゲームファンじゃないから、Android5にてゲーム機能が強化されるから、スマホで十分になるには違いないと考えているかもしれません。
コアゲーマーなら、言うまでも無く、ゲームを快適に遊ぶには、操作性は重要です。コアゲーマーの支持を取り付けるには、重要なパーツです。
本田氏は PSPgoに右アナログスティック搭載という誤報記事を書いてしまった前科はありますので、 やはり本田氏はゲームファンじゃないからといえるでしょう。
GPUを強化してグラフィクスの高速化を図っていたため簡単には比較できないとはいえ、Cortex-A9のクアッドコアを持つ5インチディスプレイ……というスペックですから、実のところスマートフォンにも追いつかれてきているということですよね。
PS Vitaのメモリ帯域についても、本田氏は知らないらしいな。 後藤氏も知らないらしいからねw
参考: [PSV]PSVitaのメインパッケージ「CXD5315GG」はメインメモリとVRAMをSoCの上に積層し、VRAMはマイクロバンプを用いたwide I/Oによる接続か(追記あり)
量産効果によるコストダウンとユーザー数増加によるコンテンツビジネスが両輪のゲーム機ビジネスを仕掛ける限り、おそらくスマートデバイスにゲーム機が勝てることはないんじゃないでしょうか。それ故、AMDのプロセッサを搭載すると言われるPlayStation 4が発表されると聞いても、イマイチ、ピンと来ないというのが正直なところです。
PS4はデスクトップPCのミドルクラスに相当する性能になるようで、フルHDのゲームならば軽々と動くだけでなく、4K2Kの高精細ディスプレイにも対応できるでしょうが、現在の延長線上にある製品と言わざるを得ません。クラウドゲーミング端末としての意味合いが強いという意見もありますが、どのぐらいのレベルのユーザー体験を実現するでしょうか?
噂レベルの情報云々に言及されている点はちょっと・・・
まあ、高画質化だけという路線でいいか?という意味なら、分からないでもないけどね。
ただし、コアゲーマーの存在は忘れていけない。もしPS3/XBOX360のようなプラットフォームが消滅した場合、受け皿はまったくないことです。一応PCという受け皿は確かにあるんですが、統一したプラットフォームの確保が問題になります。
本田氏はその点について言及していない。
ちなみに、西田氏がその点を突っ込んでいます。スマホやタブレットじゃとても受け皿になりません。全体を読んでみると、どうやら本田氏は、現在のPS Vitaは十分なプラットフォームを維持できるレベルになってないので、きわめて危機的であると言いたいらしい。
本田氏いわく、コンシューマー業界においては、ゲーム利用者の数が大きく減ったので、危機的であることだそうです。
確かにその通りですが、任天堂のWiiは言うまでもなく、ハード売り上げ台数が素晴らしかったのに、なぜコアゲーマー向けのソフトが売れなかったか。サードからもソフトがほとんど出なくなった。
ハードが売れても、ソフトが売れなければ意味はないです。
どうやら、本田氏は、この点については、認識されてないみたいです。
スマホのゲームについては、ソーシャルや軽めのゲームが主流です。いかにもゲームらしいゲームが売れるかは疑問です。ゲームといっても、ジャンルは様々です。当然相性の悪いゲームもあります。たとえばFPSなら、相性が最悪でしょう。少なくともスマホの操作性問題を解決しない限り、厳しいと思いますよ。
スマホやタブレットがたくさん売れても、ソフトは安定した売り上げには期待できますか。
ソフトをたくさん買うコアゲーマーも、スマホやタブレットに素直に移行するでしょうか?
最近、PS Vitaへの新作ソフトが次々発表されています。ハードがたくさん売れているはずの3DS向けの新作があまり発表されてません。
ハードだけが売れても、ソフトは売れなければ、サード的には意味はないです。
任天堂の2013年1月のソフトスケジュールは任天堂全ハードでもたった1本。
・Nexus 10
厳密には最新アンドロイドタブレットの開発ターゲットという位置付けのNexusシリーズだが、最新アンドロイドが使えることの利点は一般ユーザーにも多く、毎月100万台を出荷する大ヒットに。このところ、月4万台ぐらいがやっとというペースのVitaと比べ……ないようにしましょう(どちらもCortex-A9のクアッドコアですが…)
国内と全世界で比較されてもね・・
個人的には、少なくとも国内でのPS Vitaの普及は全く心配していません。
現在はなぜ売れてないのは、
結局キラーソフトが投入されてない点です。また本体の値段は高いという指摘もあります。メモリーカードのせいで、割高感をおぼえても仕方ない。
モンハンのようなキラーソフトはないが、小規模クラスのソフトの売り上げは好調です。サードの各社の決算はPS Vitaソフトが好調だったとの記事が目立ちます。ハード台数が出てない割、ソフトの売り上げが好調です。それはソフトをよく購入されるコアゲーマー層が集まっているおかげです。
3DSは、確かにキラーソフトが結構出てきますが、中小サードのソフトの売り上げはさっぱりです。PS3以上に普及しているにも関わらず、サードのソフトはさっぱりです。上記に記載した任天堂系のソフトのスケジュールがいい証拠です。
海外での普及は確かに楽観視できないのですが、 個人的には、先代のPSPで北米ファンを満足させられなかったツケが大きく出てしまったと分析しています。(日本はモンハンのヒットが大きかったですね。)原因は右アナログスティックがなかった点であると言われています。FPSとの相性が悪いからです。しかし、PS Vitaはこの点を解決されています。ジャイロエイムがPS Vitaならのゲーミング体験になっています。
もしかしたら、北米のアタリショック後に出たファミコン(NES)の状況と似ているかもしれません。任天堂いわく、アタリショックの影響で、ファミコン(NES)を北米で当初売るのにずいぶん苦労したそうです。
元任天堂の荒川氏がNESで北米のゲーム業界を再建した話は有名。個人的に尊敬している人物です。
1985年当時、アメリカのコンピューターゲーム産業は、1983年に発生したアタリショックによって崩壊してしまっていた。荒川はハワード・リンカーンと共に、Nintendo Entertainment System(日本名:ファミリーコンピュータ)によって、この業界を再建するという業績を残した。
もちろんスマホの影響も無視できません。PS Vitaはやはりスマホとは違うものだと再評価されるまでてこ入れをとことん行うしかないと思います。それが失敗に終ったら終わりでしょうね。
本田氏は、色々の分野にはきわめて精通している所は素晴らしいと思います。しかし、ゲーム分野に関しては、思わず首をかしげるような発言も見られます。(PSPgoのアナログスティックに関する誤報記事を書いてしまったのも1つです。エンターブレインの影響力云々の発言も。)
本田氏はゲームを全くやらないと公言されている。 つまりゲームファンじゃないのに、そもそもやらない分野であれこれ言及するのはやめた方がよろしいのではと思いますよ。ご自身の影響力の高さを認識し、慎重に発言すべきです。
例えばAV分野に関しては、もともと熱心なAVファンなので、まっとうな記事が出てきます。 自動車関連の記事もそうです。自動車が好きだからです。
ちなみに、アニメファンじゃないと公言されています。その方がアニメ業界についてあれこれ言及するのは違和感あるでしょう? ゲーム関連に当てはまると分かりやすいと思いますよ。
PS4が出ない方がいい云々発言。PS4の早期投入の意味なら、分からないでもないですが、(個人的にはPS4の早期投入は反対。)永遠に出ない方がいいという意味なら、やはりおかしい。
確かに、スマホ/タブレットで、AAA級ゲームがいずれ出てくるかもしれない。しかしコアゲーマーとして満足できる体験を実現できるかは、まだまだ厳しいと思う。 現時点は少なくとも100%ありえない。
そもそもPS3/XBOX360世代の据え置きプラットフォームのライバルといえるものは見当たらない。PCというライバルはありますが、大人気FPSのCODのネット対戦プレイヤー数はPS3/XBOX360の方が圧倒的。PCはややマイナー。
コアゲーマーが集まっているPS3プラットフォームをPS4へ移行させる難易度として、少なくとも携帯ゲーム機に比べて低い。
PS4のハード台数の売り上げが落ちる可能性も十分ありますが、意外にもソフトの売れ行きは、ハードのほどに落ちない可能性もあると思います。 個人的にはハードのシェア云々より、コアゲーマー層の確保が重要です。
コアゲーマーの支持がとにかくキモです。 SCEにとっては、そのコアゲーマーの支持を十分に取り付けているのは最大の強みでもあります。ソフトをよく買ってくれるお得意様です。
Appleだって、据え置きゲーム機で遊ぶようなコアゲーマーの獲得をあまり意識してないはず。もちろんゲーマー層の獲得に注力しているでしょう。しかし、無理やりに獲得しても、コアゲーマーがAppleプラットフォームじゃ、満足できるか、疑問が残ります。
ちなみに、海外でのWiiUの立ち上げが失敗らしいという雰囲気になってきたのは、Wiiでコアゲーマーを冷遇していたツケが出てきたからです。
本田氏には、そのコアゲーマーの存在について、全く分析されてないです。何度もいいますが、ゲームファンじゃないから、コアゲーマーの気持ちは理解されてないでしょう。
最近のコメント