政治の話ではないですw
念のためw
最近話題になっている次世代ゲーム戦争の話です。
E3 2013報告 ゲーム機の新時代は保守主義
私が言いたかったことをよく代弁してくれた平林氏のコラム記事なので、ご紹介したい。
なぜ、保守主義を選んだのか。類推するに、次世代ゲーム機は革新の道が最初から閉ざされていたからだろう。現状のゲーム機で最も変革すべきことは何か。ソフトの容量だろうか、インタフェイスだろうか。違う。改善点すべき点はいろいろあるが、今、顧客が一番不満に思っている点は「有料」であることだ。
世の中には「無料」で遊べるゲームが無尽蔵にある。ゲームをするために、わざわざお金を払うの? という声があちこちから聞こえるご時世である。ではこの風潮になびいて、家庭用ゲーム機とソフトを無料にしたら、それは革新ではなく自己否定、自滅だ。であるならば、中途半端な革新をやめて、製品をつくる根本思想から変えた。現在を肯定する姿勢でつくったのが、2013年の次世代ゲーム機ととらえている。
家庭用ゲーム機の市場環境は、日本ですでに多くのマスコミが伝えているように厳しい。今までのように右肩上がりではない。わざわざ述べるまでもなく「無料」のゲームは、やはり強い。しかし、次世代ゲーム機は、選べる範囲のなかで正しい選択をしたのではないだろうか。はっきりと言葉にして語られることはないが、保守主義。ひらたくいうとゲーム専用機としての開き直りが、想像していた以上に好感をもって迎えられているE3 2013だ。
SCEはコアゲーマー主義ともいえる保守主義に徹底的にこだわりました。
MSはコアゲーマー層には元々強かったが、Xbox One世代はTV中心というリビング、カジュアルゲーマー層に向けて注力することになりました。DRMも厳しくなっています。肝心のコアゲーマー層の評判はあまりよろしくありません。おそらくコアゲーマーにとっては保守主義とはいえないでしょう。
「PS4世代でかわること」とゲーム市場の関係 SCE WWスタジオプレジデント 吉田修平氏インタビュー
吉田氏はコアゲーマーとカジュアルゲーマーの関係性について説明しています。
プレイする人達のピラミッド(上にコアファンがいて、下に行くに従って人数は増えるが熱狂度は落ちる)が成り立たなくなっているという点については、家庭用ゲーム全体で考えると、まさにその通りだと思います。ピラミッド全部が一つのビジネスであったとするならば、裾野を形成していたカジュアルゲームユーザーが、スマホやタブレットなどの「すでに持っているデバイス」で、しかも「最初はタダで」遊べるので、そちらに移行する。ちょっと時間がつぶせればいい、というのは間違いないですね。その層がゲーム専用機を買って、60ドル払ってゲームを買ってくれるかというと、なかなか難しい。
しかしその中身をもうちょっとみていくとですが……。この話は、現世代から次世代の話をしていますよね。今世代のピラミッドはどう形成されていたんだろう、ということです。もう理解していただけるんじゃないかと思うんですが、ここ(下の部分)を取られていったのはどなたでしたっけ……ということがあります。
別の言い方をしましょう。PS2とPS3を比較すると、PS3はPS2ほどの普及に至っていません。PS3がだいたい7,000万台くらいで、PS2は1億5,000万台出荷しています。PS3世代もXbox 360と合わせると1億5,000万台くらいになるんですが、要はPS3のユーザーは「ピラミッドの上の方」です。ピラミッドの下の部分がスコンと抜けた形になっているんですが、PS3だけでも7,000万台以上あり、今年はもっと売れると思います。マイクロソフトさんもそのくらい売れています。コアゲーム市場でもそれだけはある、ということなんです。
日本の市場に関しては、PS4世代における据置ゲーム市場については、おそらく厳しいだろうと思います。最悪だとセガサターンクラス(500万台)の市場ぐらいになるかもしれません。(とはいえ、当時はソフトも売れていたので、サード的には十分商売になったらしいですが。)
PS3はやっと900万台を突破した状態です。PS3が発売されてから6年過ぎていますので、正直言って遅いです。しかし、好材料なのは、欧米の据置ゲーム市場はまだまだ健在であることです。XBOX 360は日本ではほとんど売れてなかったのに、7000万台以上売れたのは驚異的だと思えます。つまり日本市場が死んでも、据置ゲーム機市場は健在であると言えます。
個人的に不安を覚えているのは、据置系の和ゲーが果たしてPS4向けに安定的に供給されるかという点ですね。
一応PS Vitaには、そういう据置系(PS3クラス)の和ゲーを十分動作できるスペックはあります。そういうスペックを持っているおかげで、最近はPS VitaとPS3ソフトのマルチ化が当たり前のようになっています。
PS4とのマルチも可能かもしれませんが、PS3/PS VitaはDirectX9世代のスペックであり、PS4はDirectX11世代ベースです。要するにマルチのままでは、次世代感があるゲームを作りだすのは難しくなる問題が出てくるかもしれません。できればPS Vitaは、DirectX11世代に対応してほしかったところですが、さすがに難しいでしょうね。
もちろん、PS4のリモートプレイ機能を用いて、PS VitaでPS4ゲームを遊べますので、ある程度解決できるかもしれませんね。
まあ、色々考えると、理想的には、やはりPS4は日本市場でもPS2のように成功してほしいことでしょうね。せめてPS3クラスに成功してほしいところです。
日本のマスコミどもは、相変わらずスマホ・ソーシャル系のゲームを当然のように持ち上げます。
しかし、最近こういう動きが起きています。ラブプラスチームのソーシャルゲー早期終了、グリーの決算大幅減収 などです。要するにカジュアルゲーマー層向けのゲームは超レッドオーシャン市場になっています。
任天堂のWiiDSブームだった頃、ブルーオーシャン経営だと絶賛されていましたが、WiiDSを購入していたはずのカジュアルゲーマー層の多くはスマホ・ソーシャルへ行ってきたためか、むしろWiiDSのコアゲーマー否定路線は結果的にレッドオーシャンになってしまったと言えます。そもそもカジュアルゲーマー層はゲームには熱心ではありません。無料なら、無料にこだわります。60$以上にする有料のゲームに投資する気はありません。iOS市場を見ても、85円アプリが中心ですね。要するにはコストパフォーマンスの悪いゲーム(60$にしているのに、スマホで十分だろうと思えるゲームとか)はますます不人気になるのは当然といえます。
E3 2013での結果を見る限り、徹底的に保守主義にこだわったSCEには、結果的に、世界中のコアゲーマーの支持を圧倒的に獲得することができました。ソース:みらいさんの記事
MSは中途半端な路線を取ってしまったため、むしろPS4はブルーオーシャンになる可能性が高まったかもしれません。SCEの取っていた保守主義は、結果的に大成功に収める可能性が高まりました。PS Vitaも、ある意味保守主義で作ったゲーム機ともいえますが、スマホに対抗するには、保守主義しかなかったと今も考えています。
欧米での人気はなかったとはいえ、PS Vitaを出したのは間違ってないと思います。PS4の成功により、PS Vitaも元気になる可能性もありますので、やはりPS4の成功がますます重要になりそうです。
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