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2013年6月

2013年6月26日 (水)

PS4のOSはFreeBSD 9.0ベースらしい


Playstation 4のOSはFreeBSD 9.0ベース

みらいさんの記事:PS4 OSはFreeBSD 9.0ベース。グラフィック・ドライバは専用開発

PS4のOSはFreeBSD 9.0ベースだそうです。グラフィック・ドライバはAMDとSCEの共同開発らしい。AMDといえば、ドライバ開発能力については安定性が欠けるというイメージがありますなw まあデバッグに関してはSCEが担当すればいい話だからねw

ちなみにその記事を書いた方は後藤大地氏です。(PC Watchの後藤氏ではない)FreeBSDにきわめて精通されている方です。FreeBSDコミッターも担当されていること。

個人的に興味深い話もあったので、以下にもご紹介したい。

ソニー・コンピュータエンタテインメントは、OSとして採用しているかどうかは明らかにしていないものの、PlayStation 3やPlayStation VitaでFreeBSDのソースコードを使っていることは明らかにしている。「Open Source Software used in PlayStationR3Open Source Software Used in PlayStationRVitaのライセンス表記からもわかる。

関連:2013年1月9日 FreeBSDが使われているハードウェア : PlayStation 3 / PlayStation Vita

ただし、マーク・サーニー氏は、PS4はPSシリーズとしてBSDベースのOSを採用するのは初めてのはずと言及している。

「壁のないゲーム環境」を目指すPS4

サーニー:OSはBSDベースです。このアーキテクチャをゲーム機に使うのは初めてのはずです。

おそらくPS VitaのOSカーネル周りは多分独自かなと思いますが、OSの上位レイヤー層にはFreeBSD系のソースコードが動作できるよう設計されている可能性はあるかもしれませんね。

もしかしたらPS Vitaのスリープ機能とPS4のスリープ機能では共通コードを使われている可能性はあるかもしれませんね。簡単に言うと、PS Vitaのファームウェアを改善することで、PS4のOSの完成度向上にも貢献している可能性がありそうです。

PS Vitaの初期ファームウェアでは、スリープ機能に関する若干不具合はありましたが、現在はそういう不具合が起きていません。そういう意味では、PS4のOSの完成度については心配しなくてもいいかもしれませんね。

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2013年6月18日 (火)

保守主義こそ生き残る唯一の道である

政治の話ではないですw

念のためw

最近話題になっている次世代ゲーム戦争の話です。

E3 2013報告 ゲーム機の新時代は保守主義

私が言いたかったことをよく代弁してくれた平林氏のコラム記事なので、ご紹介したい。

なぜ、保守主義を選んだのか。類推するに、次世代ゲーム機は革新の道が最初から閉ざされていたからだろう。現状のゲーム機で最も変革すべきことは何か。ソフトの容量だろうか、インタフェイスだろうか。違う。改善点すべき点はいろいろあるが、今、顧客が一番不満に思っている点は「有料」であることだ。

世の中には「無料」で遊べるゲームが無尽蔵にある。ゲームをするために、わざわざお金を払うの? という声があちこちから聞こえるご時世である。ではこの風潮になびいて、家庭用ゲーム機とソフトを無料にしたら、それは革新ではなく自己否定、自滅だ。であるならば、中途半端な革新をやめて、製品をつくる根本思想から変えた。現在を肯定する姿勢でつくったのが、2013年の次世代ゲーム機ととらえている。

家庭用ゲーム機の市場環境は、日本ですでに多くのマスコミが伝えているように厳しい。今までのように右肩上がりではない。わざわざ述べるまでもなく「無料」のゲームは、やはり強い。しかし、次世代ゲーム機は、選べる範囲のなかで正しい選択をしたのではないだろうか。はっきりと言葉にして語られることはないが、保守主義。ひらたくいうとゲーム専用機としての開き直りが、想像していた以上に好感をもって迎えられているE3 2013だ。

SCEはコアゲーマー主義ともいえる保守主義に徹底的にこだわりました。

MSはコアゲーマー層には元々強かったが、Xbox One世代はTV中心というリビング、カジュアルゲーマー層に向けて注力することになりました。DRMも厳しくなっています。肝心のコアゲーマー層の評判はあまりよろしくありません。おそらくコアゲーマーにとっては保守主義とはいえないでしょう。

「PS4世代でかわること」とゲーム市場の関係 SCE WWスタジオプレジデント 吉田修平氏インタビュー

吉田氏はコアゲーマーとカジュアルゲーマーの関係性について説明しています。

プレイする人達のピラミッド(上にコアファンがいて、下に行くに従って人数は増えるが熱狂度は落ちる)が成り立たなくなっているという点については、家庭用ゲーム全体で考えると、まさにその通りだと思います。ピラミッド全部が一つのビジネスであったとするならば、裾野を形成していたカジュアルゲームユーザーが、スマホやタブレットなどの「すでに持っているデバイス」で、しかも「最初はタダで」遊べるので、そちらに移行する。ちょっと時間がつぶせればいい、というのは間違いないですね。その層がゲーム専用機を買って、60ドル払ってゲームを買ってくれるかというと、なかなか難しい。

しかしその中身をもうちょっとみていくとですが……。この話は、現世代から次世代の話をしていますよね。今世代のピラミッドはどう形成されていたんだろう、ということです。もう理解していただけるんじゃないかと思うんですが、ここ(下の部分)を取られていったのはどなたでしたっけ……ということがあります。

別の言い方をしましょう。PS2とPS3を比較すると、PS3はPS2ほどの普及に至っていません。PS3がだいたい7,000万台くらいで、PS2は1億5,000万台出荷しています。PS3世代もXbox 360と合わせると1億5,000万台くらいになるんですが、要はPS3のユーザーは「ピラミッドの上の方」です。ピラミッドの下の部分がスコンと抜けた形になっているんですが、PS3だけでも7,000万台以上あり、今年はもっと売れると思います。マイクロソフトさんもそのくらい売れています。コアゲーム市場でもそれだけはある、ということなんです。

日本の市場に関しては、PS4世代における据置ゲーム市場については、おそらく厳しいだろうと思います。最悪だとセガサターンクラス(500万台)の市場ぐらいになるかもしれません。(とはいえ、当時はソフトも売れていたので、サード的には十分商売になったらしいですが。)

PS3はやっと900万台を突破した状態です。PS3が発売されてから6年過ぎていますので、正直言って遅いです。しかし、好材料なのは、欧米の据置ゲーム市場はまだまだ健在であることです。XBOX 360は日本ではほとんど売れてなかったのに、7000万台以上売れたのは驚異的だと思えます。つまり日本市場が死んでも、据置ゲーム機市場は健在であると言えます。

個人的に不安を覚えているのは、据置系の和ゲーが果たしてPS4向けに安定的に供給されるかという点ですね。

一応PS Vitaには、そういう据置系(PS3クラス)の和ゲーを十分動作できるスペックはあります。そういうスペックを持っているおかげで、最近はPS VitaとPS3ソフトのマルチ化が当たり前のようになっています。

PS4とのマルチも可能かもしれませんが、PS3/PS VitaはDirectX9世代のスペックであり、PS4はDirectX11世代ベースです。要するにマルチのままでは、次世代感があるゲームを作りだすのは難しくなる問題が出てくるかもしれません。できればPS Vitaは、DirectX11世代に対応してほしかったところですが、さすがに難しいでしょうね。

もちろん、PS4のリモートプレイ機能を用いて、PS VitaでPS4ゲームを遊べますので、ある程度解決できるかもしれませんね。

まあ、色々考えると、理想的には、やはりPS4は日本市場でもPS2のように成功してほしいことでしょうね。せめてPS3クラスに成功してほしいところです。

日本のマスコミどもは、相変わらずスマホ・ソーシャル系のゲームを当然のように持ち上げます。

しかし、最近こういう動きが起きています。ラブプラスチームのソーシャルゲー早期終了グリーの決算大幅減収 などです。要するにカジュアルゲーマー層向けのゲームは超レッドオーシャン市場になっています。

任天堂のWiiDSブームだった頃、ブルーオーシャン経営だと絶賛されていましたが、WiiDSを購入していたはずのカジュアルゲーマー層の多くはスマホ・ソーシャルへ行ってきたためか、むしろWiiDSのコアゲーマー否定路線は結果的にレッドオーシャンになってしまったと言えます。そもそもカジュアルゲーマー層はゲームには熱心ではありません。無料なら、無料にこだわります。60$以上にする有料のゲームに投資する気はありません。iOS市場を見ても、85円アプリが中心ですね。要するにはコストパフォーマンスの悪いゲーム(60$にしているのに、スマホで十分だろうと思えるゲームとか)はますます不人気になるのは当然といえます。

E3 2013での結果を見る限り、徹底的に保守主義にこだわったSCEには、結果的に、世界中のコアゲーマーの支持を圧倒的に獲得することができました。ソース:みらいさんの記事

MSは中途半端な路線を取ってしまったため、むしろPS4はブルーオーシャンになる可能性が高まったかもしれません。SCEの取っていた保守主義は、結果的に大成功に収める可能性が高まりました。PS Vitaも、ある意味保守主義で作ったゲーム機ともいえますが、スマホに対抗するには、保守主義しかなかったと今も考えています。

欧米での人気はなかったとはいえ、PS Vitaを出したのは間違ってないと思います。PS4の成功により、PS Vitaも元気になる可能性もありますので、やはりPS4の成功がますます重要になりそうです。

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2013年6月13日 (木)

E3 2013でのPS4発表に関する雑感



PS4本体のデザインを初めて見た第一印象はX68K?と思いましたw

X68Kシリーズは、1987~1993年にシャープが発売したパーソナルコンピュータ。当時主流だったNECのPC-88/98シリーズに比べて、きわめてカラフルでゲーム性能も高性能でした。当時人気だったゲーセンのゲームが忠実に移植されていた点は個人的には極めて衝撃的でした。PC88/98シリーズにはとても不可能でしたから。(当時のゲーセンの基盤に搭載していたCPUは68000系が主流だったため、移植性が容易だったという面もありますが。)

当時は30万円台以上にしていたため、当時学生だった僕にとっては高根の花でした。

CompactXVI でぐぐるってみると、よく似ているなと分かりますw
個人ブログ系ばかりなので、転載はできませんが・・

PS2の筐体が発表された際、X68Kと似ているといわれましたな。よってPS2をベースにデザインしたともいえるかもしれません。



PS1~PS3(初期型)のデザインを全て担当されていた名デザイナー・後藤禎祐さんはもうソニーを退社されております。ちなみに、現在も踏襲されているPSのコントローラデザインも担当されました。今回のPS4デザインを担当された方はSCEの隅井徹さんだそうです。VAIO製品をデザインされた経歴もあるようです。同じデザイナーでも、その製品の丸いデザインと正反対なので、驚きを覚えますね。


それにしても、薄型PS3並みのサイズに収めたのが凄いことだと思いますね。しかも電源内蔵です。

値段は発表されました。$399です。予想通りです。MSのXbox Oneは$499。性能はPS4より劣るだけに、厳しい戦いになりそうです。欧米でXBOX 360が好調だったのはやはりコストパフォーマンスの高さだったでしょうね。当時のPS3より200$安くて、マルチでは画質はやや優勢な面もありましたので、リードすることができたでしょうね。今回は全く逆の立場です。100$高いし、消費者無視という中古制限などの縛りがきつい。(SCEブースで中古サポートあり!DRMなし!と発表された際、観客の反応は凄かったね。)性能も劣ります。果たしてPS4に対抗できるでしょうか。

個人的に評価したいのは、PS3の20GB/60GB版のように2種類体制にしなかったことでしょうね。初めから1種類に絞ったことは素晴らしいです。消費者にとっては”分かりやすさ”が重要です。容量でラインナップを作るという売り方はなるべくやめてほしいです。

HDD 500GB搭載は高コストなのではと言われるかもしれませんが、最近の2.5インチHDDは、500GBあたりの1プラッタを用いているため、250GBのHDDにしてもコストは変わりません。(むしろ逆にコストが高くなります。)2013年後半に出荷されることを考えると、問題ないでしょう。

HDD換装も可能ですので、1TB以上のHDDか、SSDに換装するのもできる点はありがたいですね。僕なら、SSD+HDDというハイブリッドドライブに換装しようかなと思います。SCEの吉田氏はSSDはあまりおススメできないという示唆もありましたからね。

FF15、KH3。マルチなのは残念ですが、これも時代の流れでしょうね。PS2時代に比べて、開発費はとても高騰しているので、独占じゃ、限界はありますからね・・・

ただ、オリジナルはハイエンドPCベースらしいので、PS4にとっては有利でしょう。GPGPUをガンガン使う作りなら、GPGPUが得意であるPS4の方が有利になりますね。PS4版FF14も、PC最高画質ベースになるとのことらしいので、FF14のためのハードとして、コストパフォーマンスの高さに注目されるかもしれませんね。

ちなみに、WiiUは対応しない理由についてはスクエニが回答しています。FF15、KH3はDirectX11ベースだから、対応するのは技術的に難しいことです。要するにテッセレーション技術を本格的に使っているため、テッセレーション技術を使えないハードには移植が不可能という意味になります。

ぶっちゃけ、最低限DirectX11対応のGPUを採用すべきでした。マルチのおこぼれをなんとか受けられる可能性が高まったのにね。技術オンチといわれても仕方がないですね。数年間に高性能路線を否定し続けていたツケはとても大きかったと思いますね。

以下のPS4の技術デモのムービーは凄いですね。さすがヘビーレインを開発したところですね。PS3のビヨンドも楽しみですね。ハイエンドPCでさえこういう技術デモを見たことがないので、PS4の潜在力の高さはよくわかります。

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2013年6月10日 (月)

まもなくE3 2013

明日(11日)午前10時からE3のSCEAカンファレンスにてPS4関連発表が行われます。どんな発表が来るのか、とても気になりますね。注目はやはりPS4本体のデザインでしょうか。

今回はPS4のGDDR5の話です。7GbpsのGDDR5について大原氏が解説しています。

7GbpsのGDDR5に左右される「GeForce GTX 750 Ti」

GDDR5の場合、現状6Gbps品は以前に比べると価格のプレミアもずっと下がっており、また出荷数量も比較的順調であるが、7Gbps品はさすがにプレミアが結構ついており、数量もやや限られている。これを現在の「GeForce GTX 660」と同じグレードにいつ搭載できるかがポイントになりそうである。

厄介なのは、すでに「GeForce GTX 660」が6GbpsのGDDR5を搭載していることである。たとえばこれまでなら、6.2Gbpsや6.5Gbpsといったように小刻みに動作周波数を上げることで性能の差別化を図るといった細工が可能だった。

ところが現在DRAMベンダーが提供しているGDDR5では、6Gbpsの上がすぐ7Gbpsになっており、6.2Gbpsや6.5Gbpsという構成をとるためには、結局7GbpsのGDDR5を調達しないといけないため、コストダウンの余地がないことだ。

ハイエンドクラスのビデオカードに採用されている、7Gbps品はプレミア価格なので、ミドルクラスのビデオカードに採用するにはコスト的に厳しいのではという話です。

PS4の立場としては、6Gbps品は価格のプレミアが以前に比べてずっと下がっていることは好材料ですな。

PS4のGDDR5は5.5Gbps品(推定)なので、歩留りについては心配する必要はなさそうです。6Gbps品の価格が下がっていることも大きいですね。

また、PS3のXDRメモリを供給している、エルピーダがGDDR5 4Gbitチップも供給していることが明らかになりました。

今までは4Gbitチップ供給メーカーは韓国勢のサムスン、ハイニックスだけといわれていましたが、3社体制で複数の調達先から調達することが可能になりますので、安定した調達には期待できそうです。複数メモリベンダーによる値段競争も期待できるメリットもあります。

ちなみにSCEはPS1時代から伝統的に複数のメモリベンダーから調達する方針を踏襲しています。PS3のXDRの場合、初期は東芝、エルピーダ。現在はエルピーダ、サムスンとなっています。

関係ないけれども、大原氏の記事でも、Xbox OneのAPUは40nm世代らしいとの話もあるそうです。後藤氏も示唆していましたが。 後藤氏に比べて、比較的に中立である大原氏も示唆しているのであれば、40nm説が当たりかもしれません。もちろんXbox One側にとってはマイナスな材料です。アーキテクチャ的にも旧世代の可能性もありそうです。そうであれば、GPGPU対応が非力である可能性も高いです。西川氏も旧世代を採用している可能性を示唆していましたし。

Kaveriの年内出荷が怪しくなってきたAMDのロードマップ

TSMCへの切り替えを検討(少なくとも工程と性能の見積もり)を行なったのは事実らしいが、結局TSMCへのスイッチは見送られたそうだ。その理由も今ではわかる。PS4とXbox OneがTSMCの28nmを使って製造するから(Xbox Oneは当初はTSMCの40nmを使うが、後追いで28nmに移行する模様)で、製造キャパシティーと物理設計の両面からギリギリだったということだろう。

XBox OneのAPUは40nm世代?らしいですが、ビッグダイサイズのeSRAMのせいで発熱対策?の面で苦労しているとの噂もあるらしいので、高クロック仕様のDDR3+ビッグダイサイズのeSRAMという方式を選択したことが大きな間違いだったことになるかもしれません。

Xbox oneが発表されるまでは、性能的にもコスト的にもバランスの良い設計だという意見もありましたが、おそらく結果的には、性能的にもコスト的にも最悪すぎる設計になるかもしれません。そもそもインテルのハイエンドCPUでさえ、SRAM容量は32MBが最大ですからね。CS向けとして32MBはあまりにも大きすぎるからです。そもそもSRAMは原理的にeDRAMに比べてもトランジスタ大食い(同じ容量当たりのトランジスタが6倍になります。)です。つまり限られたダイサイズの資源として無駄に食われるからです。民生用として致命的です。

おそらくMSにはSRAM主義という幻想みたいものを持っていたでしょうね。キャッシュ方式に依存しているPC畑によくありがちな欠点でしょうか。それが敗因だと思います。

Cellにはキャッシュ方式を採用しなかったSCEには、SRAM主義という幻想を持たなかったのではと思っています。意外にもその考えが影響しているかもという気がします。

また、特注に近いXDR調達に慣れているSCEには、汎用であるGDDR5 8GBという選択には難しくなかったかもしれません。エルピーダ、サムスンとヒアリングして、コスト面はなんとかなりそうと判断できたかもしれませんが。

PS4の選んだメモリ設計については、GDDR5のみというシンプルな設計は極めて現実解になるかもしれません。来年に登場すると言われる、DDR4の仕組みは原理的にGDDR5とよく似ているといわれています。つまり、GDDR5技術を流用しやすいのであれば、DDR4の量産により、GDDR5のコストダウンも可能になるかと思います。大原氏が解説したPC向けのAMDのAPU「Kaveri」はGDDR5対応という話もあるらしいので、DDR4及びPS4効果により、GDDR5の量産が本格的になるのではないかとみています。

SCEの選んだGDDR5という選択は、タイミングも含め、実に見事であるとしか言いようがないですね。

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2013年6月 5日 (水)

ソニーの新型4K液晶テレビの画質をチェックしてみた

ソニー、65/55型4K BRAVIA X9200A。4Kの臨場感を家庭に

量販店にて軽くチェックした程度ですが、第一印象は思っていたよりキレイだなという印象。トリルミナスディスプレイという技術を採用しているおかげで、色域は実に広いという印象。かつてのLED RGBバックライト搭載だったQUALIA 005、XR1より広く感じます。おそらくパネル側のコントラスト向上の恩恵が大きいためと思われます。

経験的にも、鮮やかな色表現においては、色域だけではなく、コントラスト表現力も重要だと考えています。つまり、低いコントラスト表現力では、色域の広さを完全に表現するには厳しいと思っています。有機ELの色が鮮やかと言われているのは、きわめて高いコントラスト表現力があるからです。

ネイティブ4K映像も流れていました。映画、自然、音楽、世界遺産などです。全てカメラのF65で撮影したものらしく、F65の広色域をしっかり表現されているなという感じ。

24p~30pソースにも関わらず、滑らかに表示されていました。おそらく倍速化処理で加工しているのではと思われます。個人的にはあまり好みじゃないので、基本的に倍速化処理をオフにするかな。2Kソースの表示も見たかったけど、今回はチェックする機会ありませんでした。機会あればまたチェックしたいと思います。

ただ気になった点。55Vの場合ですが、パネルによる走査線みたいもの?が見られました。1m以上視聴するのであればあまり気にならないと思いますが、1m以下で視聴する場合、少々気になるかも。(65Vの場合、あまり目立たなかったので、パネルの特性によるものかもしれません。)

映り込みがやや目立ったのは残念。映り込みがキライな人には、厳しいかもしれません。映り込みを抑えるシャープのモスアイ技術みたいものを採用してほしかった。

4Kがやってきたヤァ! ヤァ! ヤァ! 映像も音もデリシャスな憧れの4Kブラビア「KD-55X9200A」ライトニングレビュー

いつものことだが、テンションの高い記事だなw

[テレビ]ソニーの4K2K BRAVIA KD-55X9200Aを購入した人がPS3「初音ミク -Project DIVA- F」でアプコン比較をしていたらしい

4K液晶テレビを購入された方によるレビューです。2K入力であるにもかかわらず、PS3ゲームのアップコン画質は予想以上良好だったとか。4K表示の表示遅延も旧2K液晶テレビより少なかったそうです。正確な数値は不明。西川氏の記事待ちですかね。(おそらく取り上げる可能性が高い。)

そのレビュー記事を読んで思ったのですが、やはり大画面テレビであれば4Kが必要だと再認識しました。

4Kコンテンツがないから、4Kテレビの必要性があるとは思えないという意見はよく見られますが、少なくとも50V以上(テレビ系)なら、4Kパネルの恩恵はあるのは間違いありません。要するに高画質な2Kテレビと言い換えた方が適切かと思います。

ソニーのアップコン技術については、歴史の長いDRC系統の技術を使われています。さすがに全く新しい考えで発明されたICC技術にはポテンシャル的に負けますが、実績のあるアップコン技術として優秀かと思います。ちなみに、映画画質として、ICCよりキレイという指摘もあったようです。(DRC、ICCを発明した近藤さんは映画嫌いだったためか、ICCの映画画質に注力しなかったそうです。)

ものすごく音が良くて、ありえないほど近くで観られる4Kテレビ――ソニー「KD-65X9200A」 (2/2)

実際ここまで近づいて観た映画BD「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」の画質はすばらしいの一言。「4K X Reality PRO」による4K変換もほとんどクセを感じさせず、精密に働いている印象だ。主役の少年がニューヨークの地図を広げた場面では、画面に相対しているこちら側で一緒になってその地図の詳細を読み取っているような気持になれるほどの解像感の高さなのである。こと映画BDの4Kアップコンバート画質については、シャープから発売された超高価格な“ICC Purios”「LC-60HQ10」以上の完成度だと思う。

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2013年6月 2日 (日)

メモリ周りで全て決まったようなもの

著名な専門家のAndo氏のブログにて、興味深いことが書かれている。

まず紹介ですが、Ando氏の本はいくつか出されている。以下の感想記事でAndo氏について簡潔に紹介されている。

"高性能コンピュータ技術の基礎 "の感想

現在のCPUはメーカーの発表資料だけでは理解できません。詳しい人が平易な言葉で解説してくれなければ、素人には実質理解できません。現在のところこのようなCPUの解説をニュース系WEBサイトで記事しているのは、後藤氏大原氏Ando氏ぐらいではないかと思います。その中で最もテクニカルな記事を書くのがAndo氏だと思いますが、その著者が設計者向けに書いた本なので、工学知識がなくIT系ニュースサイトを巡回程度しかしない私には難しかったです。
関連:Hide Ando氏の連載記事

富士通のCPUを設計した経験はあるらしく、設計者向けに解説本を出すほどの専門家です。

それでは、Ando氏の分析について、以下にご紹介したいと思います。

大きな違いは,PS4のSoCが8GBのGDDR5メモリをメインメモリとして使っているのに対して,Xbox OneのSoCはAMDの標準のAPUと同様にCPUとGPUがDDR3のメインメモリを共有するという 構造になっています。ただし,これだけではGPUが必要とするメモリバンド幅を満たせないので,GPUに対してはオンチップの32MBのSRAMをつけています。

Microsoftは200GB/sのメモリバンド幅と言ってますが,メインメモリはDDR3 2チャネルで34GB/s程度で,~166GB/sは32MBのSRAMのバンド幅です。つまり,GPUが高いバンド幅でアクセスできるのは32MBという限定されたメモリだけです。そして,32GBのSRAMのデータをメインメモリに移すにはDMAエンジンを使って転送する必要があります。また,CPUとGPUとの連携はDDR3メモリ上のデータなら両方がアクセスできますが,CPUは高速の32MBメモリにCPUはアクセスできないとなると,こちらを使った連携はできません。しかし,AMDの標準のAPUではCPUからGPUのフレームバッファをアクセスするFusion Control Linkがあり,Xbox OneのSoCでもCPUから32MBのSRAMをアクセスできるという機能を持っている可能性も排除できません。

PS4ではGPU側でPhysXなどの物理シミュレーションを動かす予定ですが,Xbox Oneではそういう話はなく,NVIDIAはXbox One用にCPUで動かすPhysXを発表したとのことです。

GDDR5を使い,全メモリが174GB/sでアクセスできるのと,オンチップの32MBのメモリは同程度のバンド幅があるのですが,メインメモリは34GB/sしかバンド幅が無いというのは大きな違いで,これがSemicAccurateが,Xbox OneはPS4に負けたという一つの理由です。

また,PS4はCPUとGPUが連携して,GPUを汎用処理にも使えるように考えられているのに対して,Xbox OneではGPUは描画中心の構成になっている。更に,Xbox Oneは,その寿命の間に来るTVの4K化の対策をどうするのかが示されていないなどをハードとして負けている点に数えています。

なお,負けを認めたとSemiAccurateが書く一番の理由は,5月21日の発表で,MicrosoftはPS4などの先行するプラットフォームとの比較には全く言及せず,PS4に対するアドバンテージを訴えなかったのは,Microsoftが内心,負けを認めているという解釈です。

Xbox OneのPhysX対応に関しては技術的問題というより、政治的問題のため、対応しなかった可能性もありますが、演算能力があまり高くないCPUにやらせるとは実にもったいないですね。Kinect対応、複数のOS搭載に対する対応などで結構リソースが消費されているのに、PS4に比べて不利だなと思えます。ちなみに、次世代エンジンのUE4も、物理演算はGPUベースとなっているそうです。もしXbox Oneはそういう対応ができても非力だった場合、マルチで差をつけられるかもしれません。XBOX360時代、UE3との相性はPS3より有利だっただけに、逆転される可能性が高まりそうです。

帯域幅についてはちょっとズレはあるみたいので、留意されるとよいかと思います。eSRAMは32MBしかない点は大きな不利になりそうです。

PS4のKZSFの開発元がメモリ利用容量について公開しています。

KZSFの開発元サイト (スライド形式で6~9ページ参照とのこと)
System 1,536MB
Shared 128 MB
Video 3,072 MB
Render Targets 800MB

レンダーターゲットだけでも800MBを用いていることです。PS3のVRAMは256MBしかなかっただけに、驚きを覚えます。

VRAMに相当する部分は3GBぐらいを用いているらしいので、ずいぶん贅沢な使い方だなと思えます。

ちなみに、最近発売された新しいビデオカードGTX780のVRAMはGDDR5 3GBです。ややハイエンドクラスなので、意外な印象を持ちます。

GTX770は2GB。(4GB版も登場する予定。)

GTX780は8万円台。GTX770は5万円台。PS4のコストパフォーマンスの高さには驚かされます。(まだ値段は発表されてないけどw)

同じGDDR5ですが、高速版を用いていることです。PS4はややクロックが低めなGDDR5を用いていることは、おそらく歩留りの良いバージョンをたくさん製造できるようにするためかと思われます。ハイエンドクラスのビデオカードなら、歩留りの悪い高速版メモリを使っても問題ありませんし。

【表】GeForce GTX 770の主なスペック 参考サイト:PC watch
GeForcee GTX 770 GeForce GTX 680 GeForcee GTX 780
アーキテクチャ Kepler(GK104) Kepler(GK104) Kepler(GK110)
プロセスルール 28nm 28nm 28nm
GPUクロック 1,046MHz 1,006MHz 863MHz
Boostクロック 1,085MHz 1,058MHz 900MHz
CUDAコア 1,536基 1,536基 2,304基
テクスチャユニット 128基 128基 192基
メモリ容量 2GB/4GB GDDR5 2GB GDDR5 3GB GDDR5
メモリクロック 7,010MHz相当 6,008MHz相当 6,008MHz相当
メモリインターフェイス 256bit 256bit 384bit
ROPユニット 32基 32基 48基
TDP 230W 195W 250W

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