平井社長と大賀さんの類似点
ソニー社長、物言う株主に「前向き」
その3:自らのリーダーシップへの「自信」
「ソニーはお客さんの期待を超える機能価値と、心を動かす感性価値を提供する会社でなければならない」――。
平井社長は“機能価値”“感性価値”という言葉を使い、ソニーの存在意義について熱弁をふるった。「エレキでいえば機能価値を満たしてはいても、感性価値を満たしたものは私の目からみるとほとんどない」。
平井体制以後、デジカメでは「DSC-RX1」、スマートフォンでは「Xperia Z」のように評判のいい製品が相次いでいる。こうした製品の開発には平井社長自身が積極的に意見を述べているという。自分がリーダーシップを発揮した製品群の評判が上々なことから、自らの「感性」に自信を深めているようだ。
「新規事業創出、コア事業強化のための戦略的投資、構造改革については、私自身が意思決定をした」。半導体(CMOSイメージセンサー)の増産投資、ネットワークサービス企業の米ガイカイ買収、オリンパスへの出資と合弁会社設立などについては平井社長が経営トップとして自ら決断したと説明した。
今回の経営戦略説明会では平井社長の横に加藤優取締役CFOが並んだほか、記者席の右側には全執行役がズラリと並んでいた。記者からの質問の内容によっては執行役が回答することもある、という想定のもとに控えていたのだが、平井社長は加藤CFOに一度発言の機会を与えただけで、それ以外はすべて自分自身で回答した。これも自分自身のリーダーシップに対する自信の表れにみえた。
ぶっちゃけ、SCEA時代からの平井さんを知っている僕として「彼なら必ずやってくれる」という感じで知っていた。数年前平井さんがSonyのトップになった際、英語が上手だけで、ストリンガー氏に気に入られたのだという悪口もありましたが、おそらく彼らはSCE時代の平井さんをよく知らなかったからと思いますね。マスコミ系ソニーウォッチャーでも、Who are Mr.平井?という感じだったからね・・
平井ソニー、トヨタに学ぶ 張氏の教え胸に現場走る(会員限定)
「現場からソニーを立て直す」。4月23日夜。六本木ヒルズの51階にあるヒルズクラブで開かれた大賀典雄の三回忌をしのぶ会。大賀は創業者の井深大、盛田昭夫とともに「世界のソニー」を作り上げた人物。その後を継いだ出井伸之(75)や中鉢良治(65)、久多良木健(62)ら60人余りが集まった席で、平井は復活を誓った。
平井は大賀が立ち上げたCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)出身で、「平井さんの経営理念の根幹は大賀さんに近い」(ソニー元幹部)。平井が強調する「ソニーは消費者の好奇心を刺激する企業であり続ける」というキーワードも大賀が繰り返した「心の琴線に触れる商品を作ろう」と同じ趣旨だ。
実際、「経営トップが1つの商品の細部にまで口を出すようになったのは大賀さん以来だ」とソニー幹部は指摘する。例えば、テレビ再生の鍵を握る高精細の4Kテレビの新商品で平井は「最高の画質に見合う最高の音を実現しろ」と指示。画面横にオーディオ用スピーカーを配置させた。
カリスマ社長といわれた、大賀さんとの類似点は多いのは面白いですね。平井社長の経営理念については、久夛良木さんの影響ではないかと思います。大賀さんと久夛良木さんの関係について、丸山さんが以下に紹介している。
ソニーの苦悩は日本の苦悩 (丸山茂雄氏のブログ)
ソニーで社長、会長をつとめた大賀典雄さんの密葬が4月27日に青山葬儀所でとり行われました。その時、棺を運ぶ大役をやらせていただいたんです。しかも先頭。隣はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の社長だった久多良木健さん(通称クダちゃん)でした。
初代「プレイステーション」の発売は1994年。ゲーム機に参入するというクダちゃんの主張に、当初ソニー社内では反対意見も多かったのですが、大賀さんはクダちゃんを支持し、ゴーサインを出した。私もSCEの経営にかかわり、2人といっしょになってプレステを世に送り出す仕事をしたんです。
クダちゃんはソニーを半導体ビジネスで世界最大にするという独自の目標を持っていました。あのインテルと戦うんだ、と。私は広告会社からソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)の前身であるシービーエス・ソニーレコードに転職した人間です。新聞広告を集めるという仕事をしていて、たまたま社員募集の広告を見つけ、面白そうだなと思ったんです。
クダちゃんも私もソニーグループのなかでは「異端」ですね。そんな2人に棺を運ばれるとは、さすがの大賀さんも苦笑していたかもしれません。
密葬で棺を運ぶほど、(親子関係みたいに)相当親しかったとは分かります。久夛良木さんはPSシリーズのデザイン等について、誰よりも異様なほどこだわりを持っていた。実はソニー副社長時代にも、ソニー製品として1つの商品の細部にまで指示されていたようです。もしソニー社長になったら、大賀さん以来と言われたはず。結局久夛良木さんの後継者の平井さんだったとはなんとも皮肉だなと思えますね。
実際、「経営トップが1つの商品の細部にまで口を出すようになったのは大賀さん以来だ」とソニー幹部は指摘する。
平井さんは久夛良木さんの仕事ぶりをよく知っていた。久夛良木さんも、平井さんの仕事ぶりを高く評価していたので、後継者として指名していただろう。ちなみに、久夛良木さんは、ストリンガー氏との関係も良好だったらしい。ストリンガー氏については、色々言われているが、少なくとも平井さんをソニー社長に就任させた点は高く評価すべきだろうねwぶっちゃけ、ストリンガー氏以外の人だったら、おそらく平井さんが選ばれることはなかったかもと思います。
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