ソニーの次世代ディスプレイ「Crystal LED Display」の実現性に迫る
画質面においては、本田さんが高く評価しています。
まず動画解像度が極めて高い。よくある動画解像度確認用の映像スクロールでは、一般に動画解像度が高いとされる短残光の3Dプラズマパネルを圧倒。比べてみるとプラズマがボケて見えるほどだ。
また動画解像度が高いため、動きのある映像では4K2Kの液晶パネルを大きくしのぐ解像感を実現していた。もちろん、動きの少ない場面や写真を表示する際にはこの限りではないが、ひとたび動画となると細部の描写力で圧倒する。
細かな点ではあるが、RGBのLEDがほぼ一カ所の点に集まっていることも高画質に寄与しているように思う。通常は1画素を3つのサブピクセルに分割し、それぞれRGB階調を表現するわけだが、Crystal LED Displayでは1つの点として見える。
もちろん、“ショースペシャル”という側面はあるだろうが、これを作ってきたソニーのエンジニアには敬意を表したい。画質の面では、過去に見てきた直視型ディスプレイの中で最も優れていると断言していい。
個人的に気になったのは以下の記述ですね。
細かな点ではあるが、RGBのLEDがほぼ一カ所の点に集まっていることも高画質に寄与しているように思う。通常は1画素を3つのサブピクセルに分割し、それぞれRGB階調を表現するわけだが、Crystal LED Displayでは1つの点として見える。
西川善司氏も同じようなことを以下に言及しています。
拡大接写してもRGBのサブピクセルがほとんど分離してみえなくて、1ドットがフルカラー発色しているように見えるんです。丁度プロジェクタの投射画素に近い印象です。
最近量販店で、シャープ製70インチ液晶TVをたまたま見てきたのですが、
1画素をサブピクセルに分割している形になっているせいか、数メートル離れてもサブピクセルがはっきりと見えました。
つまり、精細感がいまいちです。
むしろ65インチプラズマの方がマシなのでは?と思うほどでした。
プラズマといえば、精細感については元々得意ではありません。
おそらくクリスタルLEDディスプレイなら70インチ2Kテレビが出ても精細感がそれほど落ちないと思いますよ。もちろん4K対応なら言うまでもないです。
クリスタルLEDディスプレイの課題として低コスト化及び製造方法について色々指摘されてます。
サファイアの結晶サイズには限界があるため、現在はサファイアガラスのタイルに対して加工とLED配置、配線を行い、それを保護ガラス上に並べて連結しているのだろう。ご存じのようにサファイアガラスは高価な材料であり、生産性も低い。脱サファイアの実現が可能になるかどうかが、Crystal LED Displayの将来を決めるといっても過言ではない。
仮にLEDの生産コスト低減、脱サファイアといった目標が達成できたならば、Crystal LED Displayは一般的なフラットパネルディスプレイとは異なるシナリオでの事業立ち上げが可能になるだろう。
量産の低コスト化を実現するにはLEDの低コスト化及び高価なサファイアガラスを使わないプロセスの確立が重要だそうです。
確かに直近での民生用の登場はあまり期待できないですね・・
Crystal LED Displayは、パネルサイズが大きい場合にはLEDの配置間隔を広くし、サイズが小さい場合にはLEDの間隔を狭めることが容易だ。現在、サファイアガラスを使っている(と推測される)ことを考えれば、業務用マスターモニターの主流サイズである23インチからCrystal LED Displayの導入を目指すという判断はあり得るだろう。
ソニーはCrystal LED Displayの製品化についてコメントを避けているが、「2013年の『NAB(National Associations of Broadcasters)』を目標に業務用マスターモニターの試作機展示を目指している」との話を関係者から伺うことができた(ただし、公式な開発意向表明ではなく、一種の社内目標のようなものだろう)。
画質面として最高峰であるBVMマスモニシリーズとして、OLEDが短命になる可能性が出てきましたね。
少なくともクリスタルLEDディスプレイの製造コスト、OLED並のコストを達成した場合、OLEDにとっては厳しい状況になっていくのは間違いありません。
対抗するには小型での高解像度化ぐらいかな。すなわち、4K2K化です。
ちなみにパナソニックから20インチ4K2K液晶ディスプレイを発表してます。業務用としてそのディスプレイを求める需要が大きいそうです。
液晶やプラズマは大規模工場への巨額投資を行い、マザーガラスを大型化して生産性を高めることでコストを下げ、競争力を強化してきた。工場への投資規模で争ういわばチキンレース的な競争である。しかし、Crystal LED Displayの場合、ディスプレイの元となる発光素子は一般的なLEDを用いることができる。これは自社で製造してもいいし、需要変動分は他社から購入してもいいだろう。
工場への巨額投資分がなくなることで、重い固定費が増えるリスクもなくなるし、
実にいいことだらけですね。むしろ低コスト化などの研究開発への投資が集中しやすくなります。
確かにソニーはOLED関連工場への投資が消極的だったのは、クリスタルLEDディスプレイの商品化に目処がついたからかもしれない。
だからジャパンディスプレイに中小型液晶事業をスピンオフさせて、初期投資の大きい中小型の有機ELパネルを生産させようとしたことかな。
仮にソニーが55型の大型有機ELディスプレイを出す場合、そのパネルはおそらく自社製にならないかなと思います。自社製はおそらく最大30インチ台までかなと予想してますけど。
むしろクリスタルLEDディスプイの低コスト化に集中投資すべきです。
画質面は無敵で、焼き付きや寿命等の耐久性もバッチリ。極めて将来性の高いディスプレイだからね。
LGの有機EL(OLED)に関しては以下のサイトで興味深いことが書かれてます。
LG Displayの2011年4Q決算:有機EL投資・量産の時期は明示せず
(tech-on会員専用サイトなので、閲覧するには登録必要です。無料です。)
55型有機ELの投入決定、ただし本格量産は2014年を想定
LG Display社のコメントは、(1)酸化物半導体基板、白色有機EL蒸着の量産準備はできた、(2)量産設備への投資時期は未定。新工場建設と既存工場の改造という選択肢がある、(3)新工場の場合に必要な投資資金は同規模の液晶パネル工場の2.5倍、既存工場であればその半分で賄える、(4)投資決定から量産までに必要な期間は18カ月程度、の4点である。
どうやら今年はいきなり本格量産するわけじゃないみたいです。おそらくサムスンもそうでしょうね。
サムスンとLG、有機ELテレビで先陣争い 「55型で世界初」の座を狙う
"世界初55型"という下らない目標のために、韓国勢が必死になっているらしいですw
ちなみに品質については一部の報道もあるようで、少なくとも韓国勢が単に世界初を目指しているものを買わない方がよさそうです。
つまり、2014年~2015年あたり、クリスタルLEDディスプレイの量産化ができれば、
出遅れになることはないと思います。
おそらくパナソニックなどのOLED参入により、OLEDが一気に主流になる可能性が高いと思います。つまりOLEDは高価格のままで売るのが難しくなるかもしれません。(液晶テレビじゃ大丈夫か?となりそうですね・・・)
しかし、クリスタルLEDディスプレイは高級ディスプレイとして売ることができるため、投げ売りといえる値下げを抑えられるかもしれません。(まあうまくいけばいいけどね・・)
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